キヌガサソウ(衣笠草)

Paris japonica


キヌガサソウ1

  • 科名・属名 : ユリ科 ツクバネソウ属
     注.APG分類では、シュロソウ科(MELANTHIACEAE)、キヌガサソウ属(Kinugasa)

  • 特徴 :
     草丈30〜80cmの多年草。
     根茎は太い。
     葉は8〜10枚が輪生し、葉身は倒卵状楕円形〜広披針形、長さ20〜30cm。両面無毛で葉柄は無い。
     花は茎頂に1個つき、径6〜7cmで上向きに咲く。外花被片は花弁状で、(7−)普通8(−9)個、長楕円形〜広披針形で開出し、長さ3〜4cm、初め黄白色でのちにピンク色、最後は淡緑色になる。内花被片は外花被片と同数あるが、線形で白色、長さ10〜15mmと目立たない。雄しべは花被片とほぼ同数。葯は線形で長さ5〜8mm。子房上位で円形。花柱は8〜10個。花柄は長さ3〜8cm。
     果実(液果)は球形、暗紫色に熟す。

  • 分布・生育地 :
     本州(東北〜中部地方の日本海側) (国外:日本固有)
     亜高山帯の湿った草地や林床

  • 花期 :   6〜8月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2006年7月22日  山形県月山
     中上・全体2 1981年7月11日  長野県白馬岳
     中下・全体3 2018年7月19日  長野県栂池
     (上、中上、中下は拡大写真あり、写真をクリック)
     左下・花、右下・葉    同  上

  • 撮影記 :
     夏の白馬岳に大雪渓から登ると、雪渓に取り付く前の林縁にこの花の大群落が見られる。
     高山植物を見たい、早く雪の上を歩きたいとはやる気持ちを抑え、まずこの花をじっくり観察する。
     和名の由来は傘状に広がる葉を、昔、貴人に差しかけた衣笠に例えたものである。


  • 葉

    同じ科の仲間の花
キヌガサソウ2

キヌガサソウ3

花