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- 科名・属名 : ユリ科 ギボウシ属
注.APG分類V、Wではクサスギカズラ科(ASPARAGACEAE)、学名(H. ×tardiva)
- 特徴 :
草丈50〜60cmの多年草。
葉は狭卵形で開出し、長さ10〜20cm、幅4〜8cm。先は次第に尖り、基部はくさび形5〜6脈が各側にあり、縁は多少波状になる。表面は光沢があり、葉柄は細く(基部が葉柄に流れるものとの中間型)、紫黒色の斑点がある。
花はやや長い花穂につき、花冠は長さ約4cm、狭筒部と広筒部は同長で裂片より短い。内側の脈は暗紫色であるが地色の濃淡の差は目立たず、透明腺は明瞭。
花は不稔(結実しない)。
- 分布・生育地 :
本州(近畿地方南部)、四国、九州 (国外:日本固有) 日当たりのいい湿った場所
- 花期 : 8〜9月
- 撮影月日・場所 :
上・全体 2019年8月30日 高知県高岡郡 (上は拡大写真あり、写真をクリック) 中上・花1、以下全て 同 上
- 撮影記 :
高知県中部の林道の縁、咲き始めのギボウシに出会った。
8月下旬から咲き始めるギボウシは何だろうと地元の花仲間に尋ねると、本種とのことで初めての出会いだった。
帰って調べると、旧版の「日本の野生植物T」(平凡社刊)では、四国に見られるが不稔(結実しない)で真の自生かどうかは不明とされ、近畿地方や九州に見られるのものは栽培品の逸出と記されていた。
改訂新版の「日本の野生植物1」(平凡社刊)も見ると、科がクサスギカズラ科に変わっているだけでなく、コバギボウシとヒュウガギボウシ系との雑種とされ学名も変わっていて、四国と九州(宮崎県)に分布するとされている。
不稔であることから、自然雑種という見解は理解できる。
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