チシマゼキショウ(千島石菖)

Tofieldia coccinea


チシマゼキショウ1

  • 科名・属名 :  ユリ科 チシマゼキショウ属
     注.APG分類では、チシマゼキショウ科(TOFIELDIACEAE)、学名(T. coccinea var. coccinea)

  • 特徴 :
     草丈5〜12cmの多年草。
     根出葉は線形鎌形、長さ2.5〜5cm、幅2〜4mm。扁平で、先は鋭尖形、縁に細かい突起がある。
     花は花茎の先に長さ7〜15mmの総状花序につき、数個〜十数個が密にき、開出または斜め下に向いて咲く。花柄には1〜2個の小型の葉がある。花柄は長さ0.5〜2mm。花被片は長楕円形〜倒披針形、長さ2〜3mm、白色またはかすかに紫色を帯びる。雄しべは6個、花被片とほぼ同長、葯亜黄褐色。
     果実(刮ハ)は球形、径2〜3mm、こげ茶色〜黒褐色、斜め下向きに密につく。

  • 分布・生育地 :
     北海道〜本州(中部地方以北) (国外:朝鮮(北部)、中国(北部)、モンゴル、シベリア、サハリン、千島、カムチャッカ、アリューシャン、アラスカ、カナダ、グリーんランド)
     高山帯の岩上や岩礫地

  • 花期 :   7〜8月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 1985年7月7日  北海道夕張岳
     中・全体2 2011年7月25日  山梨県北岳
     (上、中は拡大写真あり、写真をクリック)
     左下・花 1986年6月12日  北海道礼文島
     右下・葉 2011年7月25日  山梨県北岳

  • 撮影記 :
     本州中部以北の高山帯の岩上や岩礫地に生え、礼文島では海岸近くにまで降りていた。
     上の写真の株は花茎が1本しかないが、何本も花茎をあげる株もある。
     改訂新版「日本の野生植物1」では、本種がチシマゼキショウ科に分けられ、本種の分布も国内では北海道(北部〜中部)だけとされている。
     それに従えば中上の南アルプス北岳の株は、新しい分類ではアポイゼキショウということになる。

  • 葉

    同じ科の仲間の花
チシマゼキショウ2

花