ナンゴクデンジソウ(南国田字草)

Marsilea crenata


ナンゴクデンジソウ1

  • 科名・属名 : デンジソウ科 デンジソウ属
     注.「日本産シダ標準図鑑」(学習研究社)では、学名(M. minuta)

  • 特徴 :
     草丈5〜15cmの常緑性の水生シダ。
     水田の水が落とされる冬期には水生から地上性となることが多い。
     根茎は長く匍匐し、径(0.7-)0.8〜1.0(-1.2)mm、淡褐色の毛がある。
     葉は長い葉柄の先に4個の小葉からなり、小葉は扇形〜倒三角形、長さ(0.9-)1.1〜1.5(-2.0)cm、幅(0.9-)1.1〜1.5(-1.7)cm。先は円頭で全縁。質は草質で淡緑色〜暗黄緑色。
     葉柄は黄緑色、長さ(3.4-)5.8〜11(-16)cm。
     胞子嚢果は葉柄の基部から出る短い柄の先に1〜2個つき、楕円形で長さ(1.9-)3.4〜4.6(-5.2)mm、幅(1.6-)2.4〜3.4(-3.6)mm、淡褐色の毛が密に生える。

  • 分布・生育地 :
     九州(福岡・鹿児島県)、沖縄 (国外:旧世界の熱帯・亜熱帯域、新大陸にも帰化)
     水田の泥土上

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2004年12月12日  沖縄県西表島
     中・全体2 2018年11月2日    同  上
     (上、中は拡大写真あり、写真をクリック)
     左下・胞子嚢群、右下・葉    同  上

  • 撮影記 :
     沖縄を訪れ始めた頃、12月だったが水田の水の上にクローバーのような四つの葉を広げたこの植物を見かけた。
     シダ植物に興味はなかったが、4枚の小葉の形から田字草(デンジソウ)というシダがあることは知っていて、その形の面白さから撮影した。
     そのうちシダにも興味を持ち始め、本土などにあるデンジソウとは胞子嚢果の付く位置が異なること知り、何とか胞子嚢果の撮影をしたいと探したが、いつ行っても胞子嚢果は見つけられなかった。
     ある年の秋、水の引いた水田で地上性となったこのシダがあり、葉柄の基部に胞子嚢果がついているを見つけ、やっと宿願を果たした。
     素人なのではっきりしたことは言えないが、水中にある時は胞子嚢果は付けないのではと思う。

  • 葉

    その他のシダ
ナンゴクデンジソウ2

胞子嚢果