ハマハナヤスリ(浜花鑢)

Ophioglossum thermale


ハマハナヤスリ

  • 科名・属名 : ハナヤスリ科 ハナヤスリ属
     注.APG分類では、学名(var.thermale)

  • 特徴 :
     草丈7〜20cmの夏緑性シダ。
     根茎は細くて短く、1〜数個の葉を叢生する。
     葉は栄養葉と胞子葉からなり、栄養葉は単葉で線形〜卵形であるが変化が多く、長さ0.7〜12cm、幅0.3〜2cm、最も幅広い部分は中央より上にある。鋭頭〜円頭、無柄または短い柄があり、葉の基部は次第に狭くなって胞子葉の柄と合体する。質は紙質。
     胞子葉は長さ6〜20cm、胞子嚢穂は長いものは4cmになる。胞子の表面には細かい網目模様があるが、見かけ上は平滑に見える。

  • 分布・生育地 :
     日本全土 (国外:シベリア、東アジア、ミクロネシア)
     海岸の砂浜、内陸の明るい湿地

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体 1995年6月18日  千葉県山武市
     (上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中・胞子嚢穂 2015年5月14日  沖縄県南城市
     下・栄養葉 2011年2月19日  沖縄県西表島

  • 撮影記 :
     初めてこのシダに出会ったのは、まだシダに全く興味なかった頃、千葉県の海岸に近い低地の湿地だった。
     細っそりした葉が1枚つき、長い胞子葉が伸びていた。
     その後、シダに興味を持ち始めると所々でこのシダに出会った。いずれも比較的海岸に近い場所で、ハマ(浜)と名付けられたのが納得できた。
     広義にはコハナヤスリも含むこともあるが、コハナヤスリは栄養葉の一番広い部分が中央より下にあること、生育地が内陸のやや乾燥した場所にあるなどの点で区別されるが、中間的なものも多く境ははっきりしないようだ。

  • その他のシダ
胞子嚢穂

栄養葉