ヒメハナワラビ(姫花蕨)

Botrychium lunaria


ヒメハナワラビ1

  • 科名・属名 : ハナヤスリ科 ハナワラビ属

  • 特徴 :
     草丈7〜15cmの夏緑性シダ。
     根茎は短く、細い円柱状で直立し、年に1個の葉を出す。
     葉は部分2形、共通柄は長さ(3.6-)4.2〜7(-9.2)cm。
     担栄養体(栄養葉)は、1回羽状複生、葉身は狭長楕円状披針形〜長卵形で円頭、長さ(2-)2.9〜4.8(-7.4)cm、幅(0.8-)1.4〜1.9(-2.3)cm。側羽片はうちわ状で3〜5対あり、長さ(0.4-)0.6〜0.9(-1.3)cm、幅(0.7-)0.9〜1.2(-1.6)cm、裂片の縁は波状縁。質は草質で黄緑色。
     葉柄は長さ(0.3-)0.5〜1(-1.8)cm。
     担胞子体(胞子葉)は穂状〜円錐状、3回羽状に深裂し、長さ(1-)2.1〜4.4(-6.5)cm、幅(0.4-)0.7〜1.3(-1.6)cm、球状の胞子嚢をやや密につける。胞子の表面にはいぼ状の突起が密にある。柄は長さ(0.6-)2.5〜4.9(-7.3)cm。

  • 分布・生育地 :
     北海道〜本州(北陸地方以東) (国外:朝鮮、中国、台湾、南アジア、ロシア、中央アジア、ヨーロッパ、北米、南米、オーストラリア、ニュージーランド)
     高山帯の日のよく当たる草地、岩場

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2019年7月5日  静岡県富士山
     中・全体2、以下全て    同  上
     (上、中は拡大写真あり、写真をクリック)

  • 撮影記 :
     ある花を目的に登った山、結構なアルバイトを強いられたにもかかわらず、花をつけた株が見当たらず、ガッカリして下山した。
     仕方ないとはいえこのままでは消化不良、他の花でも撮影できないかと富士山に向かった。
     富士山では久し振りに出会う着生ランにいくらか気分も晴れ、同行した地元の花仲間と雑談しているとこの植物の話題が出、富士山にも見られるとのこと、早速現地に向かった。
     夕方近くなってやや薄暗く、雨も降り出す悪条件の中、コケ混じりの草付の斜面に点々とこのシダが顔を覗かせていた。
     前々から出会いたいと思っていたシダとの出会い、「もうそろそろ」と言われるまで、ずぶ濡れになりながら撮影した。

  • 短栄養体(栄養葉)

    その他のシダ
ヒメハナワラビ2

担胞子体(胞子嚢穂)