ミヤコジマハナワラビ(宮古島花蕨)

Helminthostachys zeylanica


ミヤコジマハナワラビ

  • 科名・属名 :
     ハナヤスリ科 ミヤコジマハナワラビ属

  • 特徴 :
     草丈30〜50cmの常緑性シダ。
     栄養葉と胞子葉を毎年1個ずつだす。
     栄養葉は単羽状で3裂し、それぞれの羽片はさらに2〜4裂し、裂片は長楕円形で長さ6〜20cm、幅2〜4cm、全体として掌状になる。先は鋭頭〜円頭で、縁には不揃いな鋸歯があり、基部は軸に流れる。
     胞子葉は栄養葉の基部から出、柄の部分は4〜8cm、穂の部分は8〜20cm。胞子嚢穂は円柱状で1〜2回分枝して胞子嚢をつける。

  • 分布・生育地 :
     南西諸島(奄美大島以南〜沖縄) (国外:台湾、スリランカ、マレーシア、オーストラリア(北部)、ニュージーランド)
     やや湿った明るい林内、林縁

  • 撮影月日・場所 :
     2009年2月20日  沖縄県
     (上は拡大写真あり、写真をクリック)
     下・胞子嚢    同  上

  • 撮影記 :
     シダというとやや暗い林下で、いかにも「シダ」という形をした葉を広げる地味な植物のイメージがある。
     きれいな花も咲かせないし、長いこと野山の花を追っかけてきたが、シダには目もくれなかった。
     しかし、南の島へ出かけると本土のシダとは全く違った形のいわゆる「シダらしくないシダ」が多く、ここ3〜4年シダにも興味を持ち始め撮影するようになった。
     その中でもこのシダはその典型で、形もシダらしくないうえ薬用になるらしく、少ない株が掘り取られほとんど見かけられない。
     常緑性でいつでも見られるが、夏から秋は葉が一部枯れていたり胞子嚢穂も出していないことが多い。

  • その他のシダ
胞子嚢穂