チャボハナヤスリ(矮鶏花鑢)

Ophioglossum parvum


チャボハナヤスリ1

  • 科名・属名 : ハナヤスリ科 ハナヤスリ属

  • 特徴 :
     草丈5〜10cmの夏緑性シダ。
     根茎は塊状で小さく直立し、叢生状に2〜3本の葉を出す。
     葉は部分2形、担葉体の共通柄は短く、長さ(0.8-)1.3〜2.8(-4.2)cm。
     栄養葉は地面に接するように開き、葉身は楕円形〜長楕円形、長さ(0.5-)1〜1.7(-2.4)cm、幅(0.2-)0.4〜0.7(-1)cm。先は鈍頭〜鋭頭、全縁、質は草質、緑色〜淡緑色、葉の二次脈は発達しない。
     胞子葉は単葉で棒状、柄の長さ(1.1-)3.4〜6.8(-9.5)cm。胞子嚢穂は長さ(0.5-)1.1〜2.2(-3.4)cm、表面は細かい網目模様がある。

  • 分布・生育地 :
     本州(東京都伊豆諸島、静岡県、三重県?)、九州(熊本、宮崎県) (国外:台湾)
     日当たりのいい原野、草地

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2019年6月30日  東京都伊豆諸島
     中上・全体2、以下全て    同  上
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)

  • 撮影記 :
     伊豆諸島のある島を訪れた。前夜は海が荒れ、船酔いで顔色がすぐれない人も多数見られた。
     早速山に入ったが、風が強くて林縁の花はひと時も止まることなく、撮影には苦労した。
     何とか目的の花を撮影し集落へ戻ると、地元の方からこのシダの存在を教えられた。
     私の記憶では、このシダの自生地はごく限られ、伊豆諸島に記録はあるものの、この島の記録はなかった。
     すると、最近見つかり専門家に鑑定してもらったとのことで、思いがけない出会いに大喜びした。
     よく似た種との違いは、担葉体の共通柄が短いのが特徴で、そのため栄養葉が地表に張りつくように広がる。写真でもそのことがよくわかる。
     帰って調べると、最近九州でもこの種の分布が記載されていた。

  • その他のシダ
チャボハナヤスリ2

栄養葉

胞子嚢穂