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- 科吊・属吊 : ヘゴ科 ヘゴ属
- 特徴 :
高さ2~5mの木生シダ。
茎は直立して分枝せず、幹は太く、基部では時に径50cmになるものもある。表面は上定根で密に覆われる。
幹の上部では枯れた葉の基部が残り、刺が表面を覆う。
葉は茎の先端に束生し、葉身は倒卵状楕円形、2回羽状複葉、長さ1~2m。羽片は長さ40~60cm、幅20cmになるが、最下羽片は短く、長さ20cm以下。羽軸と小羽片の中肋の表面には毛が密にあり、裏側には膜質で淡褐色の小さな鱗片がある。裂片は幅約3mm、鋭頭で鋸歯縁。葉柄は長さ30~40cmと葉身よりはるかに短く、紫褐色、茎や葉柄基部には暗褐色で硬くて細い鱗片があり、鱗片が落ちた後は高さ3~4cmの刺が残る。
胞子嚢群は裂片の軸に沿って並び、球形で包膜に包まれる。包膜は薄い膜質で胞子嚢が成熟すると上規則に裂け落下する。
- 分布・生育地 :
伊豆・小笠原諸島、紀伊半島(南部)、四国(西南部)、長崎(五島列島)宮崎・熊本(南部)、鹿児島(南部)~沖縄 (国外:台湾、中国(南部)~インドシナ、ヒマラヤ) 低地の湿度の高い林内
- 撮影月日・場所 :
2013年6月26日 沖縄県国頭郡 (上は拡大写真あり、写真をクリック) 中・胞子嚢群、以下全て 同 上
- 撮影記 :
ジャングルからすっと立ち上がり、見るだけで太古の世界を想像させる木生シダ、ヘゴの仲間だ。
日本では南の地域だけに分布し、何種類かの仲間がある。
よく見かけるヒカゲヘゴとの違いは、葉柄の色や包膜の有無等いろいろあるが、一見してわかりやすいのは、下左の写真のように枯れた葉の基部が落ちずに幹から垂れ下がることで、葉柄が落ち、跡に逆八の字形の葉痕を残すヒカゲヘゴとの違いである。
沖縄では北部の林道を走ると、道路脇に点々とこのシダが立っているのを目にする。
その他のシダ
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