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- 科吊・属吊 : ヘゴ科 ヘゴ属
- 特徴 :
高さ2~5mの常緑性木生シダ。
茎は直立して分枝せず、幹は太く、基部では時に径50cmになるものもあり、表面は上定根で密に覆われる。
幹の上部では枯れた葉の基部が残り、刺が表面を覆う。
葉は3回羽状深裂し茎の先端に束生、葉身は倒卵状楕円形、長さ最大で2m以上、幅は最大で1m以上。側羽片は17~24対あり、長さ(18-)29~40(-46)cm、幅(11-)12~14(-17)cmになるが、最下羽片は短く、長さ20cm以下。小羽片は長さ(5.9-)6.3~7.3(-8.7)cm、幅(1.2-)1.3~1.5(-1.8)cm、裂片は鋭頭で鋸歯縁。質は紙質で緑色、鱗片は卵形で、淡褐色、辺縁に上規則な突起がある。裏側には膜質で淡褐色の小さな鱗片がある。毛は羽軸、小羽軸、中肋の表側(向軸側)にあり、褐色。
葉柄は紫褐色、長さが最大1m以上ある。鱗片は披針形で辺縁に微細な突起があり、褐色~暗褐色、長さ(1.3-)1.6~2.1(-2.3)cm、鱗片が落ちた後は高さ3~4cmの刺が残る。
胞子嚢群は裂片の中肋寄りに並び、円形で径(0.6-)0.7~0.8mm。包膜は円形、薄い膜質で胞子嚢が成熟すると上規則に裂け落下する。
- 分布・生育地 :
本州(伊豆半島、伊豆・小笠原諸島、紀伊半島(南部))、四国(徳島、高知県)、九州、沖縄 (国外:中国(南部)、台湾、インドシナ半島~南アジア) 低地の湿度の高い林内
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2013年6月26日 沖縄県国頭郡 中上・全体2 2011年6月26日 東京都小笠原諸島 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック) 中下・胞子嚢群 2013年6月26日 沖縄県国頭郡 左下・幹上部枯枝、右下・幹下部 同 上
- 撮影記 :
ジャングルからすっと立ち上がり、見るだけで太古の世界を想像させる常緑の木生シダ、ヘゴの仲間だ。
日本では南の地域だけに分布し、何種類かの仲間がある。
よく見かけるヒカゲヘゴとの違いは、葉柄の色や包膜の有無等いろいろあるが、一見してわかりやすいのは、下左の写真のように枯れた葉の基部が落ちずに幹から垂れ下がることで、葉柄が落ち、跡に逆八の字形の葉痕を残すヒカゲヘゴとの違いである。
沖縄では北部の林道を走ると、道路脇に点々とこのシダが立っているのを目にする。

その他のシダ
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