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- 科名・属名 :
ヒカゲノカズラ科 ヒカゲノカズラ属
- 特徴 :
草丈7〜20cmの常緑性シダ。
茎は匍匐茎と直立茎があり、匍匐茎は地表を長く這い、不規則に2叉分枝し、所々で根を生じ、径(1.3-)1.6〜2.1(-2.5)mm。直立茎は1〜数回分枝し、主茎と枝となり、小枝は葉を密生し、径(1.2-)1.5〜2.0(-2.5)mm、葉を含んだ幅は(8.1-)8.6〜9.9(-12)mm。
葉は斜上〜開出し、線状披針形〜線形、長さ(5.8-)6.2〜6.8(-7.4)mm、幅(0.6-)0.8〜0.9(-1.0)mm。先は鋭尖頭で先端に白い膜質の糸状体をつけ、全縁。質は柔らかい革質で濃緑色。
胞子嚢の柄は長さ5〜15cm、線形の小さな葉が圧着し、先端に2〜5個の胞子嚢穂をつける。胞子嚢穂は円柱形、長さ(1.5-)2.7〜4.3(-5.0)cm、径(2.4-)4.4〜5.8(-6.5)mm、短い柄(小梗)がある。胞子の表面ん網状の模様がある。
- 分布・生育地 :
北海道〜九州(奄美大島まで) (国外:ロシア(極東)、朝鮮、中国) 山野の陽地や林下
- 撮影月日・場所 :
上・全体 2008年7月20日 長野県志賀高原 (上は拡大写真あり、写真をクリック) 下・胞子嚢 2006年9月3日 鹿児島県屋久島
- 撮影記 :
和名はヒカゲノカズラ(日陰(影))とあるが、日陰に多いのではなく、影は光の意味で向陽の地に生ずることを強調していると図鑑には記されている。実際、日当たりのいい場所でよく見かける。
沖縄を除く日本全土に分布し、生育地も山野の陽地や林下と幅広く、2倍体や3倍体などがあって分けられる場合もある。
その意味では、ここでは同一種という考え方に依ったが、下の胞子嚢穂の写真は屋久島の高地で撮影したもので、ナンゴクヒカゲノカズラと呼ばれ、葉の質がやや硬く、胞子嚢穂の柄(総梗)の長さが時に15cm以上になることもあるとされる。
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