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- 科名・属名 :
ヒカゲノカズラ科 ヒカゲノカズラ属
- 特徴 :
地上性で匍匐する常緑性シダ。
匍匐茎と直立茎の2形で、直立茎は径1.5〜2mm、基部近くで疎らに2叉分枝する。
直立茎の葉は輪生し、開出または反曲し、線状披針形〜狭披針形、長さ5〜6mm、幅0.8〜1mm。鋭尖頭、深緑色で革質、全縁か微鋸歯縁。
胞子嚢穂は直立茎の先端に単生し無柄、円柱形で長さ1.5〜3cm、径4〜6mm。
胞子の表面には網状の模様がある。
- 分布・生育地 :
本州(福井、岐阜県以北)〜北海道 (国外:朝鮮、中国、台湾、ロシア〜ヨーロッパ、北米) 高山、亜高山の草原、針葉樹林下
- 撮影月日・場所 :
2015年6月1日 長野県北八ヶ岳 中 2011年7月25日 山梨県北岳 (上、中は拡大写真あり、写真をクリック) 下左・胞子嚢穂 2015年6月1日 長野県北八ヶ岳 右下・直立茎葉 同 上
- 撮影記 :
喘ぎながらやっと南アルプス北岳の稜線まで登りつき、ホッと一息入れる。
花の写真を撮り始めた三十数年前、1年に3回も来たこともある山だが、久し振りに登ると、年のせいもあり結構きつい。
ふとハイマツの林下を見ると、このシダが這い広がり、若いながらも胞子嚢穂を上げていた。
昔も生えていたのだろうが、当時は高山植物ばかりに目が行きシダ類には全く気がつかなかった。そのため、シダ類を撮るためだけに同じ山に登る破目になっている。
その後八ヶ岳の針葉樹林下や東北の高山でも出会ったが、地表を覆うように群落になっていて見栄えがする。
日本では福井県以北の亜高山〜高山帯のシダであるが、北半球の温帯にはには広く分布しているようだ。
なお、北岳で出会ったものは、葉の形や開出角度からタカネヒカゲノカズラという品種として分ける場合もあるようだ。
その他のシダ
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