タカネヒカゲノカズラ(高嶺日陰の葛)

Lycopodium nikoense


タカネヒカゲノカズラ1

  • 科名・属名 :
     ヒカゲノカズラ科 ヒカゲノカズラ属

  • 特徴 :
     地上性の常緑性シダ。
     匍匐茎と直立茎の2形性で、匍匐茎は地上を這い、径1.4〜1.6mm、数回2叉分枝して根や鱗片状の葉をつける。直立茎は高さ3〜12cm、葉を入れて2.1〜2.8mm、数回2叉分枝する。
     葉は5列に並んで斜上し、針状〜線状披針形、長さ4.5〜6mm、幅0.5〜0.9mm。基部は茎に合着し、鋭尖頭で全縁。
     胞子嚢穂は直立茎の先端に1〜2個つき、円柱形で長さ1.3〜2cm、径約5mm。

  • 分布・生育地 :
     北海道、本州(石川県以北)、九州(屋久島) (国外:千島、朝鮮)
     高山体の帯の草原、岩礫地のやや日陰

  • 撮影月日・場所 :
     2014年8月19日  岩手県早池峰山
     (上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中、下・胞子嚢穂    同  上

  • 撮影記 :
     本州〜北海道の高山帯の礫地や草原に生えるが、隔離分布で屋久島の山頂付近にも分布している。
     まださほどシダに興味のなかった頃、屋久島の山頂近くでまだ胞子嚢穂を上げていない株を撮影していたが、このシダとは思っていなかった。
     後日、南アルプスや早池峰山で岩礫地に広がっているこのシダを見、屋久島のシダも同じものだとわかった。
     主な自生地からはるか離れた場所にはえる屋久島のシダ、再び出会えたら今度は感慨もひとしおだろう。
     ただ、高山帯で見られるものの、このような場所には色とりどりの高山植物が生えていて、シダに興味を持っていないと目に入らないかもしれない。
     事実、北海道や本州の高山に何十回も登っているが、シダに興味のなかった頃の写真にはシダは一つも写っていない。

  • その他のシダ
タカネヒカゲノカズラ2

胞子嚢穂