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- 科名・属名 : ヒメシダ科 ミゾシダ属
注.「日本産シダ植物標準図鑑T」(学研刊)ではヒメシダ属(Thelypteria)、種小名以下学名変わらず
- 特徴 :
長さ25〜60cmの常緑性シダ。
根茎は短く匍匐〜斜上し、相接して葉をつける。
葉は単葉〜1回羽状全裂、葉身は三角形〜狭三角形、長さ(17-)18〜20(-23)cm、幅(8.5-)10〜13(-15)cm。先は鋭頭〜鋭先頭、基部はほぼ切形またはやや円みがあり、下部裂片は長楕円状卵形で、ほぼ全縁。厚い草質で、暗緑色〜暗黄緑色、単褐色で長い単細胞毛があり、特に脈上には密生する。葉脈は不規則に結合して網目を作る。
葉柄は淡緑色で基部は褐色を帯び、長さ(9.4-)15〜28(-43)cm。鱗片は基部で密につき、褐色〜黒褐色、披針形〜線状披針形、長さ(2.4-)4.9〜7.4(9.4)mm。毛は淡褐色で長い単細胞毛が密にある。
胞子嚢群は葉脈に沿ってつき、線形で網目を作り、包膜はなく、胞子表面に刺状突起がある。
- 分布・生育地 :
本州(紀伊半島南部)、四国(徳島・高知県)、九州〜沖縄 (国外:中国、台湾) 林下の乾いた場所〜湿った場所
- 撮影月日・場所 :
上・全体 2007年7月1日 鹿児島県屋久島 中・全体2 2013年5月1日 鹿児島県甑島 (上、中は拡大写真あり、写真をクリック) 下・胞子嚢群 2013年1月28日 沖縄県国頭郡
- 撮影記 :
葉裏の葉脈が網目状になることからこの和名がつけられているが、シダらしくないその形ですぐに名前を覚えられる。
図鑑によると少ない種で、群生することが多いとされている。確かに何株かがまとまって生えていることが多い。
比較的湿った場所に多いが、尾根近くの乾いた場所でも見たことがある。
屋久島辺りで見た株は、葉柄を入れても30cm以下のものが多かったが、沖縄の沢筋では葉身だけで30cm、葉柄も入れると50cmを優に超える大きなものもよく見かけた。
胞子嚢群は網目状につくものの胞子が落ちているものが多い。ただ、沖縄で見かけた下の写真の株は、熟した胞子嚢群だけでなく未熟な黄色の胞子嚢群も混じっていて綺麗だった。
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