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- 科名・属名 : ヒメシダ科 ヒメシダ属
- 特徴 :
草丈30〜70cmの夏緑性シダ(沖縄は常緑)。
根茎は短く、斜上し、葉を叢生する。
葉は1回羽状深裂〜2回羽状深裂、葉身は披針形、長さ(15-)21〜43(-71)cm、幅(3.4-)5.4〜9.3(-15)cm。側羽片は披針形〜線状披針形、長さ(0.8-)0.9〜1.2(-1.4)cm、幅(0.5-)0.6〜0.9(-1.0)cm、最大羽片は長さ3.6〜5cm程度と大きく、中央部が最も広く、上下に向けて次第に幅狭くなる。最下の裂片は流れて中軸につき、半円形の翼となる。裂片は長楕円形〜卵状長楕円形、円頭〜鈍頭、辺縁は様々な程度に切れ込み有毛。質は草質、緑色〜暗緑色、両面に半透明の毛がある。
葉柄は淡緑色〜わら色、長さ(4.0-)6.5〜9.7(-11)cm。鱗片は全体にやや密につき、狭披針形〜線状披針形、淡褐色〜茶褐色で、長さ(3.1-)3.9〜5(-6.3)mm、辺縁にも両面にも毛がある。
胞子嚢群は裂片の中肋と辺縁の中間につき、楕円形〜円形、包膜はない。
- 分布・生育地 :
北海道(胆振)、本州〜沖縄 (国外:朝鮮、中国、台湾、東南〜南アジア) 低地の山野
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2007年7月7日 東京都八王子市 中上・全体2 2008年7月19日 愛知県新城市 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック) 中中・葉表 2018年4月12日 鹿児島県鹿児島市 中下・胞子嚢群1 2007年7月7日 東京都八王子市 左下・胞子嚢群2 2008年7月19日 愛知県新城市 右上・葉柄基部鱗片 2020年9月29日 神奈川県川崎市 右下・葉柄上部鱗片 同 上
- 撮影記 :
全体写真の2枚を比較すると別の種のように思える。上は典型的だが、中は本種と同定したものの確信は持てずにいた。
最近出版された「日本産シダ植物標準図鑑」(学研刊)に、本種には2倍体で山地に生え大型、4倍体で人家近くに生え小型の2タイプがあり、前者をオオゲジゲジシダ、後者をコジゲジシダとする考え方もあることを知った。ただ、別種として分けるほどではないとされている。
このシダの面白さは、オオゲジゲジシダタイプに見られる最基部の裂片が葉軸に流れ翼を作ることで(中下の写真)、一見しただけで本種ということがわかる。
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