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- 科名・属名 : ヒメシダ科 ヒメシダ属
- 特徴 :
草丈50〜80cmの夏緑性シダ。
根茎は短く、匍匐するか斜上し、毛と鱗片がある。
葉身は三角状長楕円形で2回羽状深裂、長さ(17-)24〜31(-35)cm、幅(14-)17〜21(-23)cm、中軸は赤褐色で有毛、最下羽片はやや下向きにつく。羽片は5/6くらいまで切れ込み、下部の羽片の基部は短くなる。裂片は長楕円形〜長楕円状披針形、長さ(3-)4〜5(-7)mm、幅2〜3(-4)mm、円頭〜鈍頭。質は草質、緑色〜淡黄緑色、葉軸や葉縁は有毛。
葉柄は赤褐色で基部は黒褐色、長さ(16-)24〜33(-39)cm、鱗片は基部に多く、茶褐色で三角状長楕円形、長さ(1.7-)2.7〜4.3(-5.6)mm。毛は疎らにあり、半透明の単細胞毛。
胞子嚢群は裂片の辺縁よりにつくが、裂片の先のほうにはつかず、円形で径(0.7-)0.8〜1.1(-1.5)mm。包膜は円腎形、表面と辺縁は有毛(半透明の短い多細胞毛)、黄褐色の腺もある。
- 分布・生育地 :
北海道〜九州 (国外:朝鮮(南部)、中国) 丘陵地・浅い山の林下
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2014年11月12日 神奈川県川崎市 中上・全体2 2018年8月31日 神奈川県箱根 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック) 中下・葉表 同 上 左下・胞子嚢群 2013年8月29日 東京都あきる野市 右上・葉柄基部鱗片 2022年6月22日 埼玉県入間市 右下・中軸 同 上
- 撮影記 :
葉柄が赤褐色で硬いのを針金に例え和名がつけられている。
ただし、葉軸(中軸)では裏側は赤褐色であるが表側は緑色である。裏側も緑色のものがあり、アオハリガネワラビという品種として学名がつけられている。
自生地では平地〜丘陵地、浅い山地の林下で割合普通に見ることができるが、よく似たイワハリガネワラビもあり、同定には注意が必要だ。
図鑑によるとイワハリガネワラビは名の通り岩上や岩場に多いとのことで、そのことも区別の際参考になりそうだ。
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