ミミガタシダ(耳形羊歯)

Thelypteris subaurita


ミミガタシダ

  • 科名・属名 : ヒメシダ科 ヒメシダ属

  • 特徴 :
     草丈60〜120cmの常緑性シダ。
     根茎は短く、斜上から直立し、葉を叢生する。
     葉身は長楕円形で2回羽状全裂し、鋭尖頭でやや尾状、下部の2〜3対はやや短くなり、長さ50〜100cm、幅20〜30cm。羽片は通常対生し、三角状線形で無柄、ほぼ全裂、長さ5〜14cm。下部の羽片は広い間隔でつき、最下1対の羽片は2番もの羽片の1.2〜2倍の長さがある。裂片は円頭〜鈍頭、鈍鋸歯縁。質は厚めの草質、黄緑色〜緑色、下面は有毛。葉柄は長さ10〜30(50)cm、赤褐色〜紫褐色で光沢があり、基部には線状披針形で長さ約8mm、褐色〜淡褐色の鱗片を密生する。
     胞子嚢群は裂片の辺縁と中肋の中間につき、円形〜楕円形で包膜はない。胞子嚢は有毛、胞子表面にこぶ状突起があり、黄色〜淡褐色。

  • 分布・生育地 :
     九州(屋久島、奄美大島)、沖縄(沖縄島)
     疎林の林内、明るい林縁の斜面

  • 撮影月日・場所 :
     2013年3月17日  沖縄県国頭郡
     中・胞子嚢群、下・鱗片    同  上

  • 撮影記 :
     廃道となってしばらく経つのか、草が生い茂る川沿いの林道、ハブに気をつけながら進む。
     林道が川に落ち込む手前、林縁の明るい斜面の下部にこのシダが数株生えていた。
     羽片の最下の1対が2番目の羽片の1.2〜2倍近く長い特徴的な形をしたカッコいいシダで、前から是非見たいと思っていた。
     有名な観察コースでもなく普通ならまず入らないこんな場所、案内してくれた沖縄の花仲間に感謝したい。

  • その他のシダ
胞子嚢群

葉柄下部鱗片