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- 科名・属名 : ヒメシダ科 ヒメシダ属
- 特徴 :
草丈20〜30cmの常緑性シダ。
根茎はほぼ直立〜斜上し、葉を束生する。
葉は2回羽状深裂、葉身は三角状狭卵形〜長楕円状三角形、先は鈍頭〜鋭頭、長さ(4.5-)5.9〜8.2(-9)cm、幅(2.5-)4.2〜5.4(-6.5)cm。側羽片は(5-)9〜10(-11)対、基部が最も幅広く、卵状披針形で長さ(1.1-)2.1〜3(-4)cm、幅(0.7-)1〜1.2(-1.4)cm、無柄か短柄がある。小羽片は長さ(0.4-)0.5〜0.6(-0.7)cm、幅0.3〜0.4cm、先は円頭〜鈍頭、全縁〜波状縁。質は薄い草質、淡黄緑色。全体に半透明の単細胞毛がやや密につき、裏に黄褐色の腺点が散在する。
葉柄は淡緑色で基部は褐色を帯び、長さ(3.6-)4.9〜6.8(-8.3)cm。鱗片は基部のみあり、茶褐色で披針形、長さ(0.5-)0.8〜1.5(-2.2)mm。半透明の多細胞網がやや密にある。
胞子嚢群は裂片の中肋と辺縁の中間〜やや辺縁寄り、羽軸の両側に2列に並び、円形で径(0.5-)0.7〜0.9(-1)mm。包膜は円腎形で半透明の短い多細胞毛がやや密にある。
- 分布・生育地 :
沖縄(西表島) (国外:台湾) 森床、林内の苔むす岩上、川沿いの岩上
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2008年8月24日 沖縄県西表島 中・全体2 2019年5月8日 同 上 (上、中は拡大写真あり、写真をクリック) 下・胞子嚢群 2008年8月24日 同 上
- 撮影記 :
ある植物の撮影に向かった川沿いの道、沢沿いの湿った岩肌を見ていると変わったシダが目に入った。
形は最もシダらしい形だが、図鑑を見ていた際、希少種として記憶に残っていたこのしだに似ていた。
目的の花の自生地に時間がかかるので先を急ぎ、帰りに何とか撮影した。未熟ながら胞子嚢もついていた。
帰って調べると、日本では西表島にしか記録のないこのシダに間違いなかった。
その他のシダ
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