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- 科名・属名 : フサシダ科 フサシダ属
- 特徴 :
草丈22〜35cmの常緑性シダ。
根茎は短く匍匐し、葉を多数叢生する。
葉は単葉で、長さ20〜30cm、幅2〜3.5mm。基部2〜5cmは断面が三角形になる柄の部分で全縁、中肋ははっきりしている。
胞子嚢は茎頂に5〜15個放射状につく小裂片の下面に覆うようにつく。小裂片は長さ2〜4cm、幅約1mm。
- 分布・生育地 :
小笠原諸島 (国外:台湾、中国(南部)から旧世界の熱帯域) 山地林下
- 撮影月日・場所 :
2011年6月25日 東京都小笠原諸島 (上は拡大写真あり、写真をクリック) 下・胞子嚢 同 上
- 撮影記 :
事前にこのシダのことを知らなかったら、カヤツリグサ科の植物が生えているとしか思わなかっただろう。
胞子嚢をつける細い裂片が茎頂に十数個ついた姿は、小穂のついたカヤツリグサにそっくりだ。シダらしくないシダの典型ともいえるシダだ。
中国南部や台湾など熱帯地方には広く分布するようだが、日本では小笠原諸島にだけ分布するとされている。
小笠原では比較的乾き気味の林下に点々と生えていたが、数多い固有のシダのうちでもこのシダだけは何としても目にしたいと思っていただけに嬉しかった。
最近、ある人から西表島でこのシダらしきものを見たという話を聞いた。分布域を見ればあってもおかしくない気がするが。
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