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- 科名・属名 : イノモトソウ科 ミズワラビ属
- 特徴 :
草丈10〜30cmの一年生で夏緑性の水生シダ。
根茎は短く、斜上〜直立し、わずかに小さな鱗片をつける。
葉は2形、胞子葉は2〜3回羽状複生、葉身は三角形〜三角状卵形、長さ(3.2-)7.8〜18(-26)cm、幅(2.2-)5.1〜11(−15)cm。側羽片は三角状卵形、長さ(1.6-)3.1〜6(-8.1)cm、幅(0.8-)2〜5.4(-9.2)cm。小羽片は線形で鋭頭、全縁、長さ(1.2-)1.9〜3.6(-4.9)cm。質は草質で淡緑色、無毛。
葉柄は緑色、長さ(0.9-)3.4〜11(-19)cm。鱗片は早落性、卵形で淡褐色〜薄赤褐色。
栄養葉は2回羽状深裂〜3回羽状深裂、葉身は三角状卵形、長さ(2.7-)5.6〜14(-24)cm、幅(1.9-)3.5〜6.1(-7.8)cm。側羽片は三角状卵形、長さ(1-)2〜4.2(-6.7)cm、幅(0.5-)1.3〜2.6(-3.5)cm。小羽片は胞子葉より幅広く鈍頭、全縁、長さ(0.1-)0.4〜0.8(-1)cm、幅0.2〜0.4(-0.6)cm。質や色は胞子葉と同じ。
葉柄は長さ(0.7)2.8〜11(-21)cm。色や鱗片は胞子葉と同様。
胞子嚢群は胞子葉裏面の葉脈に沿って長く伸び、反転した葉縁に包まれる。胞子嚢は球状で大きく、短柄があるかほとんど無柄。
時により、羽片の分かれるあたりに無性芽をつける場合がある。
- 分布・生育地 :
本州(山形県以南)〜沖縄(沖縄島以北) (国外:朝鮮、中国、台湾、ネパール、ハワイ) 水田や沼地、溝の水中や湿地
- 撮影月日・場所 :
上・全体 2018年9月23日 群馬県館林市 (上は拡大写真あり、写真をクリック) 中・胞子葉、以下全て 同 上
- 撮影記 :
ミズワラビは南西諸島で立派な株を撮影しているので、その後本州で見かけた株が貧弱だったこともあって未撮影だった。
ところが、以前の図鑑では日本にはミズワラビの1種だけが分布しているとして記載されていたものが、最近の研究で本種と2種に分けられた。
基本的に本種は北方系でミズワラビは南方系とされ、奄美大島以北に分布しているのは全て本種とされている。
それならと本州でと探したが、その気になって探すと以外に出会わない。やっと群馬県の休耕田で見つけたが、ヒメと名付けられたように確かに1〜2回りほど小振りだと思った。
ただ、北方系といっても分布は本州山形県以南で、株は南では大きいものの北に行くに従って小さくなり、形も単純化するようである。
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