ホソバイワガネソウ(細葉岩ヶ根草)

Coniogramme gracilis


ホソバイワガネソウ

  • 科名・属名 :
     イノモトソウ科 イワガネゼンマイ属

  • 特徴 :
     長さ40〜60cmの常緑性シダ。
     葉は単羽状から3回羽状、頂羽片ははっきりしている。小羽片は披針形で、ほぼ全縁から浅い鋸歯縁。
    、  イワガネソウによく似ているが、全体の小型で、小羽片の幅が1〜1.5cm、広いものでも約2cm。幅が2.5cm以上あるイワガネソウとは異なる。
     質は紙質に近く、葉脈は結合して網状となり、脈の先端は鋸歯の底近くに達する。
     胞子嚢群は脈に沿って長く伸び、包膜はない。

  • 分布・生育地 :
     九州(奄美大島)(固有)  山地の林縁

  • 撮影月日・場所 :
     2007年6月11日  鹿児島県奄美大島
     下・胞子嚢群    同  上

  • 撮影記 :
     あるマメ科植物の果実を撮影に出かけた沢沿いの林縁、上を見上げてもマメ科の莢らしきものは見つけられなかった。
     もっとよく探そうと、ハブの出そうなやや湿った林下を棒で叩きながら分け入る。すると目の前に小振りなこのシダが現れた。
     葉裏を見ると葉脈が途中で結合している。本州なら間違いなく小型のイワガネソウと同定する。
     しかし、事前の調べで奄美大島にはイワガネソウは分布せず、かわりに葉の幅が細いこのシダがあることを承知していたので、すぐに本種と判断した。

  • その他のシダ
胞子嚢群