イワガネゼンマイ(岩ヶ根銭巻)

Coniogramme intermedia


イワガネゼンマイ

  • 科名・属名 :
     イノモトソウ科 イワガネゼンマイ属

  • 特徴 :
     草丈70〜140cmの常緑性シダ。
     根茎は匍匐し、茶褐色で披針形の鱗片をやや密につける。
     葉身は卵状長楕円形、長さ40〜70cm、基部は2回羽状、上部は単羽状に分岐し、頂羽片がある。羽片や小羽片は狭長楕円形、幅2〜3cm、先端はやや急に細くなって尾状になり、縁は鋸歯縁。質はやや厚い草質で、両面羽毛。側脈は1〜2回分枝するが、平行に並んで網目を作らず、先端は鋸歯の中まで入るか、少なくとも鋸歯の底には達する。葉柄は淡いわら色で長さ30〜60cm、葉身とほぼ同長。
     胞子嚢群は葉脈に沿って長く伸び、端は葉縁から5mm位離れた所に揃う。
     毛の有無で色々に区別され、裏面だけに毛のあるものはウラゲイワガネ(f. villosa)、両面に毛のあるものはチチブイワガネ(f. nosei)という品種とされている。

  • 分布・生育地 :
     北海道〜九州(屋久島まで) (国外:樺太、南千島、アジア東部・南東部〜インドシナ半島、ヒマラヤ)
     丘陵〜山地のやや湿った林下

  • 撮影月日・場所 :
     2007年2月10日  神奈川県逗子市
     (上は拡大写真あり、写真をクリック)
     下・胞子嚢群    同  上

  • 撮影記 :
     シダの撮影を始めて間もない頃、関東ではシダの産地として有名な逗子市の山に出かけた。
     真冬ではあったが常緑性のシダが何種類も見られ、びっくりするほどフィルムを消費した。
     しかし、シダには全くの素人、名前が全くといっていいほどわからない。その中でこのシダは名前のわかった数少ないシダだった。
     というのも、これとよく似たイワガネソウというのがあり、その違いはこのシダは葉脈が1〜2回分岐するものの、その後網目を作らない「さよならゼンマイ、こんにちはソウ」という違いの覚え方をある本で見ていたからだった。こういう例えは一度覚えると忘れないものだ。

  • その他のシダ
胞子嚢群