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- 科名・属名 : イノモトソウ科 イノモトソウ属
- 特徴 :
草丈1.5〜2mになる常緑性シダ。
根茎は短く斜上し、茶褐色の鱗片をつける。
葉は2回羽状深裂、葉身は基部で3岐し、側枝は後側に短い枝を出すので全体は5角形状になり、先は鋭頭〜鋭尖頭、長さ30〜100cm、幅40〜120cm。側羽片は最下は三角形、それ以外は線状披針形、(20-)23〜28(-38)対で最下の1対は著しく大型になり、長さ(28-)39〜48(-33)cm、幅は栄養葉で(最下の大型小羽片を除く)長さ(14-)17〜23(-28)cm、胞子をつける葉では(22-)25〜30(-33)cm。小羽片は線状披針形でやや鎌状、長さ(1.1-)1.2〜1.5(-1.6)cm、幅0.4〜0.5(0.6)cm、先は鈍頭〜鋭頭、胞子嚢群をつけない葉の辺縁には微鋸歯がある。質は草質で黄緑色。
葉柄は黄褐色〜赤褐色で光沢があり、太いものでは径1.5cm、長さ1mになる。葉柄基部のみに鱗片があり、卵形〜広披針形、茶褐色で長さ(2.3-)3.2〜4.4(-5.1)mm。
胞子嚢群は裂片の辺縁に沿って長く伸び、線形で裂片の辺縁が反転して偽包膜となる。
- 分布・生育地 :
本州(千葉県以西)〜沖縄 (国外:アジアの熱帯・亜熱帯域) 山地の湿った林下
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2015年4月12日 鹿児島県屋久島 中上・全体2 2007年6月30日 同 上 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック) 中下・葉表 2022年8月7日 静岡県熱海市 中下・胞子嚢群1 2007年6月30日 鹿児島県屋久島 左下・胞子嚢群2 2022年8月7日 静岡県熱海市 右上・葉柄基部鱗片 2023年5月10日 鹿児島県奄美大島 右下・根茎 2019年10月6日 和歌山県東牟婁郡
- 撮影記 :
和歌山県の那智山で見つかったことから和名がつけられていて、本州(千葉県以西)〜沖縄にかけて分布する暖地性のシダである。
基本的には常緑であるが、本州の北限に近い場所では地上部が枯れることもあるようだ。
写真は全て屋久島で撮影したもので、この島では林道沿いの林縁でごく普通に見られる。
静岡県では、鹿の食害で多くのシダが消滅していた中でこのシダだけが残っていた。テンナンショウ属のように何か鹿の嫌いな成分でも含まれているのだろうか。
その他のシダ
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