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- 科名・属名 : イノモトソウ科 ホウライシダ属
- 特徴 :
草丈20〜40cmの常緑性シダ。
根茎は短く斜上し、葉を叢生する。
葉は1回羽状複生、葉身は狭披針形、長さ12〜26cm、幅(1.5-)1.8〜2.2(-2.4)cm。中軸の先端はしばしば長く延び、先端に芽をつける。側羽片は平行四辺形〜半月形で16〜25対つき、長さ0.7〜0.9(-1.2)cm、幅(0.4-)0.5(-0.6)cm、無柄か短い柄があり、先は円頭か切形、前側は鈍鋸歯縁、ほかは全縁。質は薄い紙質、淡緑色で葉軸に褐色の多細胞毛が疎らにある。
葉柄は黒紫色で光沢があり、長さ(4.5-)7.3〜12(-14)cm。基部のみ線状披針形で黒色、周辺部は暗褐色の鱗片がある。
胞子嚢群は羽片の辺縁(偽包膜の裏側)に広くつき、扁円形で長さ(0.8-)0.9〜1.2(-1.7)mm、幅(1.4-)1.7〜2.3(-3)mm。包膜はないが偽包膜がある。
- 分布・生育地 :
九州(大分県) (国外:中国、台湾、東南〜南アジア) 山地の日当りのいい岩上
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2011年9月3日 大分県1 中・全体2 2010年6月13日 大分県2 (上、中は拡大写真あり、写真をクリック) 下・胞子嚢群 2011年9月3日 大分県1
- 撮影記 :
ホウライシダ属は以前ホウライシダ科に分類されていたが、最近の分類ではイノモトソウ科の中に入れられている。
このシダ、海外では中国やインドにかけて分布しているが、日本では大分県の2ヶ所だけに知られる希産種である。
2ヶ所とも県の天然記念物に指定され、そのどちらも訪れたが現地にはその看板が立てられていた。しかし、看板の近くを探しても見当たらず、大分離れた場所にあった。
自生地から離れた場所に看板があるというのは盗掘を危惧したのかもしれないが、こんなシダまで採っていく人がいるのかと思うと、やりきれない気がした。
中の写真のように、しばしば中軸が長く伸び、伸びた部分には羽片をつけず、先端に芽をつけるようだ。
その他のシダ
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