エビラシダ(箙羊歯)

Gymnocarpium oyamense


エビラシダ1


  • 科名・属名 : イワデンダ科 ウサギシダ属

  • 特徴 :
     草丈25〜40cmの夏緑性シダ。
     根茎は長く匍匐し、鱗片をやや密につける。
     葉は1回羽状深裂〜2回羽状中裂、葉身は広三角状卵形〜三角状卵形、長さ(9.3-)9.9〜12(-15)cm、幅(7.6-)8.2〜9.3(-10)cm。羽片(裂片)は長楕円状披針形、下部のもので長さ(3.5-)4.2〜4.9(-5.3)cm、幅(1.2-)1.5〜2(-2.4)cm、先は円頭〜鈍頭、縁は波状縁、最下裂片は多少反曲する。質は薄い草質、淡緑色〜淡黄緑色、まばらに腺毛がある。
     葉柄は淡緑色、長さ(15-)17〜21(-25)cm、基部のみ茶褐色で広披針形、長さ3〜5mmの鱗片がある。
     胞子嚢群は裂片の中肋と辺縁の中間につき、楕円形〜円形、長さ(1.2-)1.6〜2(-2.3)mm、幅(0.6-)0.8〜1.1(-1.4)mm、包膜はない。

  • 分布・生育地 :
     本州(茨城県以西)〜四国 (国外:中国、台湾、南アジア、東南アジア)
     深山の林下の湿った岩場

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2014年8月8日  東京都奥多摩
     中上・全体2    同  上
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)>
     中下・葉 2022年5月8日  神奈川県南足柄市
     下・胞子嚢群 2014年8月8日  東京都奥多摩

  • 撮影記 :
     和名の由来となっているエビラとは、葉身が葉柄に対して折れ曲がっている様子を、箙(えびら)という矢を携帯する容器に見立ててつけられているとのことである。
     ただ、今では、矢を携帯する容器といわれてもピンとこない人の方が圧倒的に多いだろう。
     そんなに普通種のシダではないようであるが、東京都の奥多摩、沢のそばの湿った岩場にやや群れて生えていた。
     足元は崩れていてやや不安定であったが、初めて見るなかなか格好いいシダで、じっくり時間をかけて撮影した。

  • その他のシダ
エビラシダ2

葉

胞子嚢群