ヘラシダ(箆羊歯)

Deparia lancea


ヘラシダ

  • 科名・属名 :
     イワデンダ科 オオシケシダ属

  • 特徴 :
     草丈15〜50cmの常緑性シダ。
     根茎は長く横走し、線状披針形〜線形で黒褐色の鱗片をつける。
     葉身は単葉、披針形〜線形で長さ10〜30cm、幅2.5cm以下。鋭尖頭で縁は全縁か浅い波状縁。質は革質で無毛、表面は濃緑色で裏面はやや淡色。中肋は裏面に隆起し、表面ではやや窪む。葉柄はわら色〜暗色で長さ3〜25cm、基部に鱗片がある。
     胞子嚢群は脈に沿って線形に伸び、中肋付近から葉縁近くまで伸びるものが多いが、長さはまちまち。包膜は全縁で背中合わせのものも混じる。

  • 分布・生育地 :
     本州(関東地方中南部以西)〜沖縄
     (国外:朝鮮〜インド、スリランカ、フィリピン、ボルネオ)
     山地の林床、崖、渓流沿いの湿った場所

  • 撮影月日・場所 :
     2007年2月10日  神奈川県逗子市
     下・胞子嚢 2007年2月17日  沖縄県西表島

  • 撮影記 :
     島嶼も含めたアジア地域全体に広く分布するシダで、単葉というシダらしくない形から、名前を覚えやすいシダの一つである。
     シダの写真を始めたばかりの頃、神奈川県三浦半島の山中の岩場に群生している姿を写し、その1週間後、沖縄・西表島の沢沿いの林下で同じシダを見た。
     2000kmも離れた場所で同じ植物が生えていることに、何だか不思議な感じがした。

  • その他のシダ
胞子嚢群