ヒロハイヌワラビ(広葉犬蕨)

Athyrium wardii


ヒロハイヌワラビ

  • 科吊・属吊 : イワデンダ科 メシダ属

  • 特徴 :
     草丈30~60cmの夏緑性シダ。
     根茎は直立~斜上し、葉を叢生する。
     葉は2回羽状浅裂~複生、葉身は広三角形~三角状広卵形、先は急に狭くなって鋭尖頭、長さ(17-)25~33(-39)cm、幅(16-)20~30(-36)cm。側羽片は長楕円状披針形で長鋭尖頭、長さ(8.8-)12~16(-19)cm、幅(3.3-)4~5.2(-6.3)cm、柄ははっきりしていて下部羽片のものでは1cm程度ある。小羽片は三角状披針形で基部は広いくさび形、基部前側に耳片が発達し、長さ(1.2-)1.6~2.1(-2.4)cm、幅(0.6-)0.7~0.9(-1)cm、無柄か短い柄があり、最終裂片は鈊頭で浅い鋸歯縁。質はやや厚い草質、黄緑色、葉軸、羽軸の背軸側に毛があり、下部裏面には毛がある。
     葉柄は淡紅紫色~淡緑色、基部は褐色、長さ(17-)20~24(-28)cm。鱗片は最基部で密、それより上では疎らにつき、狭披針形~線状披針形、長さ(6.1-)7.6~9.4(-10)mm、褐色で中央部が濃色となることがある。

  • 分布・生育地 :
     本州~九州(屋久島まで) (国外:朝鮮、中国、スリランカ)
     山地林下

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体 2020年8月12日  福島県南会津郡
     (上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中・葉(表)、以下全て    同  上

  • 撮影記 :
     暖地では結構普通に見られるシダと図鑑などに記載されていて、何ヶ所かで撮影した記録があった。  アップするに当たり再度チェックしたところ、どれも本種の特徴とは異なる点があり、最終的に特徴にそったものはこの写真だった。
     特徴は側羽片に長さ4mm以上の柄があること、最下羽片の前側の裂片は特に大きくなることはなく、葉軸と重ならない、葉軸に微毛があることなどとされている。
     しかし本州での分布は東北地方~中部地方北部にかけては稀とされていて、撮影した福島県奥地の山には分布しているとはされているものの、その辺りが少しにかかる。

  • 基部鱗片

    その他のシダ
葉(表)

胞子嚢群