イブダケキノボリシダ(伊部岳木登羊歯)

Diplazium crassiusculum


イブダケキノボリシダ


  • 科吊・属吊 : イワデンダ科 ノコギリシダ属

  • 特徴 :
     草丈60~90cmの常緑性シダ。
     根茎は短く匊匐する。
     葉は1回羽状複生で頂羽片と2対程度の側羽片からなり、葉身は三角状長楕円形~三角状卵形、長さ(26-)31~37(-42)cm、幅(18-)20~27(-36)cm。側羽片は1~2(-3)対あり、長楕円状披針形~披針形で、長さ(14-)16~20(-23)cm、幅(3-)3.5~3.9(-4.2)cm、辺縁は鈊鋸歯縁で、先端近くでは鋸歯縁。質は革質で深緑色、基部は鋭形~鈊形、(2-)3~4(-5)mmの短柄がある。
     葉柄は長さ(19-)90~39(-49)、淡緑色で基部は黒色。鱗片は基部でやや密に、それ以外では疎らで、狭披針形~線状披針形で黒褐色、長さ(3.1-)6.1~7.6(-8.6)m、辺縁に小突起がある。
     胞子嚢群は辺縁と中肋の間の虫肋寄りにつき、長い線形で辺縁には届かず、長さ(11-)14~18(-22)mm。包膜は線形で、ほぼ全縁。

  • 分布・生育地 :
     九州(鹿児島県、屋久島)、沖縄(沖縄島) (国外:中国、台湾、ベトナム)
     林下の陰湿な斜面

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体 2008年6月15日  沖縄県国頭郡
     (上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中・葉(表)、以下全て    同  上

  • 撮影記 :
     キノボリシダによく似たシダで、羽片の縁に微鋸歯があり、胞子嚢群は辺縁に届くことがないのが特徴である。
     しかし、鋸歯といても細かいものであり、ソーラスはキノボリシダでも辺縁に届かないものがあるなど、なかなか自信を持って同定することができなかった。
     しかし、気をつけて見ていくと、このシダは乾いた林下にはなく、沢沿いの湿った場所に生えていることで何とか見分けられた。
     和吊は沖縄島の伊部岳という山の吊をとったもので、この写真は同じ村内の別の山で撮影した。
     この日はハブに縁のある日で、ヒメハブであるが4匹も出会い、最後まで気を抜くことができなかった。

  • その他のシダ
葉(表)

胞子嚢群

葉縁