イブダケキノボリシダ(伊部岳木登羊歯)

Diplazium crassiusculum


イブダケキノボリシダ

  • 科名・属名 : イワデンダ科 ヘラシダ属

  • 特徴 :
     草丈50〜90cmの常緑性シダ。
     葉は頂羽片と2対程度の側羽片からなり、側羽片は披針形〜長楕円状披針形で、長さ12〜24cm、幅4〜5cm。革質で基部は鋭形〜鈍形、3〜5mmの柄があり、辺縁には微鋸歯がある。葉柄は長さ20〜60cm、黒褐色〜黒色で辺縁に刺のある鱗片が密にある。
     胞子嚢群は辺縁と中肋の間に長く線形につき、辺縁には届かない。包膜はほぼ全縁。

  • 分布・生育地 :
     九州(屋久島)、沖縄
     林下の陰湿な斜面

  • 撮影月日・場所 :
     2008年6月15日  沖縄県国頭郡
     中・胞子嚢、下・辺縁    同  上

  • 撮影記 :
     キノボリシダによく似たシダで、羽片の縁に微鋸歯があり、胞子嚢群は辺縁に届くことがないのが特徴である。
     しかし、鋸歯といても細かいものであり、ソーラスはキノボリシダでも辺縁に届かないものがあるなど、なかなか自信を持って同定することができなかった。
     しかし、気をつけて見ていくと、このシダは乾いた林下にはなく、沢沿いの湿った場所に生えていることで何とか見分けられた。
     和名は沖縄島の伊部岳という山の名をとったもので、この写真は同じ村内の別の山で撮影した。
     この日はハブに縁のある日で、ヒメハブであるが4匹も出会い、最後まで気を抜くことができなかった。

  • その他のシダ
胞子嚢

辺縁