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- 科名・属名 : イワデンダ科 イワヤシダ属
注.「日本産シダ植物標準図鑑」(学研刊)では、イワヤシダ科(Diplaziopsidaceae)、属名以下変わらず
- 特徴 :
草丈60〜110cmの夏緑性シダ。
根茎は斜上〜直立し、葉を叢生する。
葉は1回羽状複で、葉身は披針形〜広披針形、長さ(31-)40〜55(-70)cm、幅(15-)17〜20(23)cm、先は鋭尖頭で尾状に伸びる。頂羽片ははっきりし、側羽片は(6-)8〜10(-13)対あり、狭三角状狭披針形、長さ((5.8-)6.6〜7.9(-8.8)cm、幅(1.6-)1.8〜2.2(-2.6)cm、先は次第に狭くなって鋭尖頭でやや尾状、基部は広いくさび形〜切形、縁は全縁か小さな波状縁。質は草質で緑色。
葉柄は淡緑色で基部は褐色を帯び、長さ(19-)26〜35(-43)cm。鱗片は基部のみあり、広披針形、茶褐色〜褐色、長さ(2.8-)4.4〜5.8(-6.2)mm、微毛があり、ざらつく。
胞子嚢群は中肋寄り並び、線形で、長さ(5.4-)6.2〜7.5(-8)mm、包膜は硬い膜質で、胞子嚢群を包み込んでソーセージ状になり、しばしば表面が破れる。
- 分布・生育地 :
本州〜九州 (国外:中国、南アジア) 山地の陰湿な林下
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2013年7月20日 広島県広島市 中上・全体2 2017年7月9日 山形県最上郡 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック) 中中・葉(表) 同 上 中下・胞子嚢群 2013年7月20日 広島県広島市 下・胞子嚢 同 上
- 撮影記 :
胞子嚢群が包膜に包み込まれてソーセージ状になる面白い形のシダで、図鑑で知って以来ぜひ見てみたいものだと思っていた。
縁あって広島県の山中でこのシダに出会えた。
杉の植林地、小沢に沿ってやや急な斜面を登っていくと、点々とこのシダが現れた。
図鑑の記述からすれば1mくらいあってもおかしくないのだが、自分の中では50cm程度のイメージだったので、最初の印象は「大きいな」だった。
ひっくり返してみると、確かに小さなソーセージ状に包膜に包まれた胞子嚢群が並んでいた。
和名の岩屋は、岩場に生えるシダの意味ではなく、四国八十八ヶ所霊場の第45番札所、愛媛県の岩屋寺で見つかったことによるらしい。
その他のシダ
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