キヨタキシダ(清滝羊歯)

Diplazium squamigerum



  • 科名・属名 : イワデンダ科 ノコギリシダ属

  • 特徴 :
     草丈50〜90cmの夏緑性シダ。
     根茎は短く横走〜斜上し、葉を込み合ってつける。
     葉身は三角形、2回羽状複葉、長さ、幅とも30〜50cm。下部の羽片は有柄。小羽片は卵状長楕円形〜長楕円形、幅4〜6mm、円頭〜鈍頭、羽状に浅裂〜全裂する。裂片は円頭、全縁〜浅い鋸歯縁。葉柄は長さ20〜50cm、全体に鱗片が宿存する。鱗片は披針形〜狭披針形、黒褐色〜黒色で光沢があり、辺縁には突起がある。鱗片は中軸にもつく。
     胞子嚢群は線形、中肋近くについて斜上し、長さ2〜7mm。包膜はごくわずかに鋸歯縁。

  • 分布・生育地 :
     北海道(ごく稀)〜九州 (国外:朝鮮、台湾、中国〜ヒマラヤ)
     やや湿った山地林下

  • 撮影月日・場所 :
     2014年6月16日  東京都高尾山
     (上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中・胞子嚢群 2011年6月10日    同  上
     下左・葉表 2014年6月16日    同  上
     下右・鱗片    同  上

  • 撮影記 :
     高尾山やその周辺は植物が多く花観察には絶好の場所であるが、よく気をつけるとシダも多くの種類がある。
     やや明るい緑色で三角形に近い葉は、沢沿いの林下でも割合によく目立つ。
     裏をひっくり返してみると、黒褐色の鱗片が中軸辺りにも多数ついているのが目に付く。
     和名のキヨタキ(清滝)は高尾山にある清滝に由来しているのかと思ったが、京都にある清滝とのことのようだ。

  • 鱗片

    その他のシダ
胞子嚢群

葉表