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- 科名・属名 : イワデンダ科 メシダ属
注.「日本産シダ植物標準図鑑U」(学研刊)では、学名(A. imbricatum)
- 特徴 :
草丈50〜90cmの夏緑性シダ。
根茎は直立し、葉を叢生する。
葉は3回羽状深裂〜4回羽状中裂、葉身は三角状卵形〜楕円形、長さ(19-)27〜35(-41)cm、幅(15-)718〜21(-23)cm。側羽片は(17-)21〜25(-26)対あり、卵状披針形〜長楕円状披針形で、長さ(6.4-)8.7〜12(-15)cmで短い柄がある。小羽片は狭長楕円形、長さ(1.3-)1.5〜1.8(-2)cm、幅(0.6-)0.7〜0.9(-1.1)cm、短柄があり、先端は鋸歯で終わり、縁は鋸歯縁〜全縁。質は草質で厚いが柔らかく、緑色〜濃緑色でツヤがあり、羽軸、小羽片中肋の表側に長さ約1.5mm程度の刺状の突起がある。
葉柄は淡紅紫色〜淡緑色、長さ(21-)23〜33(-45)cm。鱗片は基部でやや密にあるがそれより上ではごく疎らとなり、披針形で褐色〜茶褐色、長さ3.5-)3.9〜4.9(-6)mm。
胞子嚢群は裂片の中肋寄りにつき、長楕円形で長さ(1.1-)1.5〜1.9(-2.2)mm。包膜は長楕円形〜鉤形で背中合わせのものも多く、辺縁は不規則な鋸歯縁。
- 分布・生育地 :
本州(関東地方以西)〜九州 (国外:中国日本固有) 山地の川沿いなど湿り気の多い林床
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2015年7月5日 広島県広島市1 中上・全体2 2013年7月20日 同 上2 中下・全体3 2015年7月5日 同 上1 (上、中上、中下は拡大写真あり、写真をクリック) 左下・胞子嚢群 2013年7月20日 同 上2 右上・葉(表) 2015年7月5日 同 上1 右下・葉柄 同 上
- 撮影記 :
あるシダの図鑑で葉軸の写真が載せられ、鮮血のような色が特徴と書かれていた。
分布域的には関東地方にもあるようであるが見たことはなく、中国地方に出かけた際やっと目にすることができた。
湿気の多い川沿いに生えるという生育環境通り、沢近くの林下に水っぽい姿で生えていた。
雨の中の出会いで水っぽい姿はその通りだったが、鮮血のような色の葉軸は、ダンドタイプということで途中から緑色に変わっていて少しガッカリした。
2度目に出会った時は紫色を帯びた葉軸と葉表中肋に生える刺をしっかり撮影した。
「日本の野生植物 シダ」(平凡社刊)では日本固有種とされていたが、新しい「日本産シダ植物標準図鑑U」(学研刊)では、中国が基準産地の種と同一とされている。


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