ミヤマメシダ(深山雌羊歯)

Athyrium melanolepis


ミヤマメシダ1

  • 科名・属名 : イワデンダ科 メシダ属

  • 特徴 :
     草丈60〜90cmの夏緑性シダ。
     根茎は斜上し、葉を叢生する。
     葉は2回羽状複生〜3回羽状深裂、葉身は卵状披針形〜長楕円状披針形、長さ(27-)39〜51(-62)cm、幅(13-)19〜26(-29)cm、最下羽片は著しく短くなる場合がある。側羽片は長楕円状披針形〜披針形、長さ(3.3-)4.2〜6.6(-9.3)cm、幅(1-)1.5〜2.1(-2.7)cm、短い柄があるかほぼ無柄。小羽片は三角状披針形、長さ(0.7-)0.9〜1.1(-1.3)cm、幅(0.3-)0.4〜0.5cm、裂片の先は鋭頭で鋸歯縁〜深裂する。質は草質で鮮緑色、無毛。
     葉柄は淡緑色だが時に紅紫色、基部は褐色、長さ(13-)20〜34(-44)cm。鱗片は最基部でやや密、それより上では疎ら、披針形で捻れ、黒褐色〜黒色で光沢があり、硬くて全縁。
     胞子嚢群は裂片の中肋と辺縁の中間〜中肋寄りにつき、楕円形〜鉤形、長さ(0.4-)0.7〜1.1(-1.3)mm。包膜は半月形〜鉤形、辺縁は細かく裂け毛状。

  • 分布・生育地 :
     北海道〜本州(鳥取県以北) (国外:朝鮮、中国(北部))
     高山〜亜高山帯の林中、草原

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2011年7月24日  山梨県南アルプス
     中上・全体2 2018年7月19日  長野県栂池
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中下・胞子嚢群1 2011年7月24日  山梨県南アルプス
     左下・胞子嚢群2 2018年7月19日  長野県栂池 
     右下・葉柄基部鱗片    同  上

  • 撮影記 :
     北方系のシダで、本州だと亜高山帯から上の林下、林縁などで見かける。
     よく似たシダがあるが、特徴は葉柄が葉身の半分以下と短いこと、葉柄基部に黒色で光沢のある鱗片がつくことである。
     特に、光沢のある黒色の鱗片の印象は強烈で、葉柄基部の黒い鱗片で覆われた姿は間違えようがない。
     長野県白馬岳の麓で撮影した基部鱗片の写真(右下)からもそのことがわかるだろう。

  • 基部鱗片

    その他のシダ
ミヤマメシダ2

胞子嚢群1

胞子嚢群2