|
- 科名・属名 : イワデンダ科 シケシダ属
- 特徴 :
50〜70cmの夏緑性シダ。
根茎は地中に深く長く匍匐し、先端に鱗片がある。
葉はやや2形(栄養葉は葉柄が短い)で2回羽状深裂、葉身は卵状広披針形、長さ(26-)29〜35(-39)cm、幅(15-)17〜21(-23)cm。側羽片は長楕円状披針形、長さ(6.2-)7.6〜11(-13)cm、幅(1.7-)2.1〜2.8(-3.7)cm、ほぼ無柄〜短柄。小羽片は長さ(0.6-)0.9〜1.2(-1.4)cm、幅(0.4-)0.5〜0.7(-0.9)cm、先は鈍頭で波状縁〜浅い鋸歯縁。質は草質で緑色。
葉柄は淡緑色(稀に褐色)、長さ(17-)26〜36(-44)cm。鱗片は疎らにつき、淡褐色〜褐色、狭披針形〜線状披針形、長さ(4.1-)5〜6.4(-8)mm。葉軸や羽軸の鱗片はごく疎ら。毛は疎ら〜やや密で淡褐色の多細胞毛。
胞子嚢群は裂片の中肋寄りにつき、狭長楕円形で長さ(2-)2.2〜2.9(-3.5)mm。包膜は狭長楕円形で不規則な突起縁、若いうちは胞子嚢群を包み込むので全縁に見える。表面は有毛。
- 分布・生育地 :
本州(秋田県以南)〜九州(屋久島、奄美大島まで) (国外:朝鮮、中国) 山地の肥沃な林床
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2017年9月8日 東京都八王子市 中上・全体2 同 上 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック) 中中・葉(表) 2022年9月9日 同 上 中下・胞子嚢群1 2017年9月8日 同 上 左下・胞子嚢群2 2022年9月9日 同 上 右上・葉柄基部鱗片1 2022年9月9日 同 上 右下・葉柄基部鱗片2 2017年9月8日 同 上
- 撮影記 :
遠出をしない時は多摩丘陵や高尾山など低山地に出かけることが多いが、何十年も観察を続けているとさすがに花の咲く植物は目新しいものには出会えにくい。
新しい出会いは少ないものの葉や茎など細部の観察や、遅くに興味を持ったシダ類、カヤツリグサやイネ科の植物など何かしらの発見がある。
このシダも関東辺りでは珍しいものではないが、八王子の山地で初めて気がついた。
○○シケシダと名のつくものが何種かあるが、よく似たムクゲシケシダに比べ小羽片の先が鈍頭であることや、葉の鱗片や毛が少なく、包膜が胞子嚢群を包み込む点が異なっている。
その他のシダ
|