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- 科名・属名 : イワデンダ科 ノコギリシダ属
- 特徴 :
草丈80〜140cmの常緑性(九州本土以北は夏緑性)シダ。
根茎は太く、短く〜やや長く匍匐し、葉を疎らにつける。
葉は3回羽状浅裂〜深裂、葉身は三角状広卵形〜三角状卵形(47-)54〜67(-83)cm、幅(30-)39〜51(-61)cm。側羽片は長楕円状披針形で有柄、長さ(18-)22〜29(-37)cm、幅(8.2-)10〜14(-16)cm。小羽片はほぼ無柄〜短柄があり、長さ(3.4-)4.1〜5.7(-6.9)cm、幅(1.6-)1.8〜2.2(-2.5)cm。最終裂片は長楕円形、円頭〜鋭頭、全縁〜鈍鋸歯縁。質は草質で暗緑色、向軸の軸上に微毛がある。
葉柄は淡緑色で基部は褐色、長さ(30-)35〜51(-66)cm。鱗片は早落性でほぼ下部のみにつき、披針形で全縁、褐色。中軸の鱗片は葉軸や羽軸の背側にごく疎らにつき、線状披針形で淡褐色。
胞子嚢群は裂片の中肋にほぼ接するようにつき、線形で長さ(2.3-)3.8〜5(-5.9)mm。包膜は薄く胞子嚢群を包み込んでソーセージ状になり、全縁で成熟すると不規則に裂ける。
- 分布・生育地 :
本州(神奈川県以西)〜沖縄 (国外:中国、台湾、南アジア、インドシナ、フィリピン) 山地のやや陰湿な林下
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2015年3月25日 沖縄県国頭郡 中上・全体2 2018年8月26日 山口県山口市 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック) 中中・葉表、左下・胞子嚢群2、右上・基部鱗片 同 上 中下・胞子嚢群1、右下・葉柄鱗片 2015年3月25日 沖縄県国頭郡
- 撮影記 :
島嶼で発見されたのでシマ(島)とつけられているが、本州や四国、九州本土などでも点々と自生地が知られている。
ただ、特徴の欄にも記したが、九州本土以北では夏緑性で、屋久島以南のものは常緑性と異なり、亜種という考え方もあるようだ。
本種とよく似たシダが多いが、本種の胞子嚢群は極端に中肋寄りにつき、熟す前の胞子嚢群は包膜に包まれてソーセージ状になる(中中の写真)ので、見ただけでわかる。
このシダを撮影した沖縄でも山口県でも沢沿いの林下にややまとまって生えていた。
その他のシダ
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