タチクラマゴケ(立鞍馬苔)

Selaginella nipponica


タチクラマゴケ1

  • 科名・属名 : イワヒバ科 イワヒバ属

  • 特徴 :
     長さ5〜20cmの常緑性(匍匐茎のみ越冬)シダ。。
     主茎は長く匍匐し、しばしばマット状になり、所々に担根体と根を出し、あまりはっきりしない側枝を出す。側枝は直立または斜上する。
     葉はやや密につき、背葉は卵形〜狭卵形で左右非相称、長さ(1.4-)1.6〜1.9(-2.0)mm、幅(0.6-)0.7〜0.9(-1.0)mm。先端部の葉はやや小さい。腹葉は五角状卵形〜広卵形で開出してつき、長さ(1.6-)1.9〜2.4(-2.9)mm、幅(1.0-)1.1〜1.5(-1.9)mm。ともに先は鋭尖頭で微鋸歯縁。質は草質で黄緑色。
     胞子嚢穂は直立または斜上し、1〜2回叉状分枝する側枝の先につき、長さ(0.9-)2.1〜3.5(-4.7)cm、幅(2.2-)2.6〜3.8(-5.1)mm。

  • 分布・生育地 :
     本州(福島県以南)〜九州(奄美大島まで) (国外:朝鮮、中国、台湾)
     草地

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体 2019年4月12日  鹿児島県鹿児島市
     (上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中・胞子葉 2017年5月17日  鹿児島県霧島
     左下・胞子嚢穂 2019年4月12日  鹿児島県鹿児島市
     右下・越冬葉 2007年3月11日  東京都八王子市

  • 撮影記 :
     マット状に広がり、胞子嚢をつける茎枝が立ち上がることから、和名がつけられている。
     胞子嚢をつける茎が立ち上がるのは他にエゾノヒメクラマゴケがあるが、本種のほうは腹葉が広卵形で先が尖り、少し大きいことが異なる。
     常緑ではあるが、冬期は胞子嚢をつける茎は枯れ、穂匐枝だけが越冬し、右下の写真のように葉が少し赤味を帯びることがある。
     元々地味なシダ類であるが、その中でも最も地味で目立ちにくい仲間である。

  • 越冬葉

    その他のシダ
タチクラマゴケ2

胞子嚢穂