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- 科名・属名 :
コバノイシカグマ科 フモトシダ属
- 特徴 :
長さ40〜100cmの常緑性シダ。
根茎は長く匍匐し、淡褐色〜褐色の毛がある。
葉は2回羽状複生で、葉身は長楕円形〜三角状卵形、長さ(25−)40〜52(−57)cm、幅(11−)18〜23(−24)cm。質は草質で緑色、羽片はまばらにつき、披針形で長さ(2.8−)4.1〜6.4(−8.2)cm、幅(1.5−)1.9〜2.6(−3.4)cm。小羽片は披針形、長さ(1.0−)1.1〜1.4(−1.6)cm、幅0.6〜0.7(−0.8)cm。最終裂片は長楕円形、鈍頭で鋸歯縁、軸上(葉軸、羽軸、葉脈)に疎らに毛があり、裏面脈上にやや密に毛がある。葉柄は先端よりは淡緑色、基部は薄茶色、長さ(10−)22〜35(−47)cm、淡褐色〜褐色の毛があるが、基部と背軸側で密にあるほかは早落性。
胞子嚢群は、裂片の辺縁から0.5〜1mm内側に寄ったところにつき、扁円形で包膜はポケット状。
- 分布・生育地 :
九州(屋久島)、沖縄(沖縄島) (国外:日本固有) 山地の林下
- 撮影月日・場所 :
2013年1月28日 沖縄県国頭郡 (上は拡大写真あり、写真をクリック) 下・胞子嚢群 同 上
- 撮影記 :
和名の恒春は台湾の地名であるが、母種のコウシュンシダは台湾からさらに南のインドシナにかけて分布しているのに対し、変種のこのシダは鹿児島県屋久島と沖縄島だけの分布し、葉の幅がやや狭いのが特徴である。
胞子嚢群が葉脈に頂生し、包膜がコップ状になっているのがコバノイシカグマ科の特徴であるが、本種はその縁が裂片の縁よりやや内側についている。
沖縄島の明るい林下では点々と見られたが、他ではまだ見たことがない。
当初、コウシュンシダとしてアップしていたが、「日本シダ植物標準図鑑」で、沖縄島産は本種との記述があり修正した。
その他のシダ
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