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- 科名・属名 :
コバノイシカグマ科 フモトシダ属
- 特徴 :
草丈60〜100cmの常緑性シダ。
根茎は長く匍匐し、褐色の毛がある。
葉は1回羽状複生〜2回羽状深裂、葉身は狭披針形〜卵状披針形、長さ(27-)39〜51(-63)cm、幅(13-)17〜24(-31)cm。羽片は披針形〜線状披針形、長さ(5.8-)8.8〜13(-16)cm、幅(1.5-)1.8〜2.3(-2.7)cm。先端は次第に狭くなって尾状、基部は広いくさび形〜円形、無柄だが下部は短柄があり、羽状の浅裂するか深裂する。裂片は鋭頭、縁は波状縁から微鋸歯縁。質は厚めの草質、暗黄緑色で表面中肋上と裏面に短毛がある。
葉柄は淡緑色〜暗褐色、長さ(20-)26〜41(-55)cm。鱗片はなく淡褐色の毛があるが、毛の量は変化が大きく、次のような品種とされている。
ほとんど毛のないものを、
●ウスゲフモトシダ(f. subglabra)(右下の写真)、
非常に毛深いものを、
ケブカフモトシダ(f. yakusimensis)という。
胞子嚢群は裂片の辺縁から0.5〜1.5mm程度内側につき、扁円形、包膜はポケット状、長さ幅とも約1mm、辺縁と表面には多くの毛がある。
- 分布・生育地 :
本州(秋田県以南)〜沖縄 (国外:朝鮮、中国、台湾、東南アジア〜南アジア) 山麓などのやや乾いた林下
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2015年3月13日 神奈川県中郡 中上・全体2 2008年6月1日 三重県御在所岳 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック) 中中・下部羽片(上面) 2015年3月13日 神奈川県中郡 中下・胞子嚢群 2007年8月11日 和歌山県東牟婁郡 左下・胞子嚢 2015年3月13日 神奈川県中郡 右下・ウスゲフモト 2008年5月2日 長崎県長崎市
- 撮影記 :
フモトシダ属の仲間は南方系が多く、関東地方以北まだ見られるのはこのシダだけである。
ただ、分布域では比較的よく見られるシダで、そのせいもあるのか葉柄の毛の量に大きな差があり、毛の量によって品種に分ける場合非常に同定が難しい。
右下の写真の株は、葉柄にほとんど毛がないので、●ウスゲフモトシダ(f. subglabra)と判断したが。
それからすると、中下の胞子嚢群の株は毛が非常に多く、ケブカフモトシダ(f. yakusimensis)というべきなのかもしれない。よく調べてみたい。
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