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- 科名・属名 : コバノイシカグマ科 ワラビ属
- 特徴 :
草丈1〜2mの夏緑性シダ。
根茎は長く匍匐し、径(2-)3.1〜4.1(-4.6)mm、毛で覆われる。
葉は3回羽状複生〜4回羽状全裂、葉身は三角状広卵形〜卵形、長さ、幅とも大きいものは1mを越える。側羽片は三角形〜三角状披針形、長さ20〜70cm、幅10〜40cm。特に基部1対が大きく、2対目以上の部分と同じくらいの大きさになる。小羽片は長楕円形、長さ(3.3-)5.8〜9.3(-12)cm、幅(1-)1.7〜3(-4.2)cm。裂片は鈍頭〜鋭頭、全縁で多少とも内側に巻く。質は硬い紙質で黄緑色。
葉柄は淡緑色で基部は暗褐色〜黒色、長さは最大1m以上になり、基部には褐色〜淡褐色の毛が密にある。
胞子嚢群は線形で裂片の辺縁に沿って長く伸び、包膜は線状。
- 分布・生育地 :
日本全土 (国外:朝鮮、中国、ロシア〜ヨーロッパ(東部・北部)) 日当たりのいい原野、疎らな林内
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2017年8月3日 神奈川県川崎市 中・全体2(新葉) 2017年6月29日 新潟県上越市 (上、中は拡大写真あり、写真をクリック) 下・胞子嚢群 2014年9月17日 神奈川県川崎市
- 撮影記 :
日本のシダの中では最も有名で、ほとんどの人がその名前を知っているだろう。中にはシダと思っていない人も多いかもしれない。
というのもこのシダの若芽を摘み山菜として利用するからで、山菜≠シダと思い、種子植物のイメージがあるのかもしれない。
日本全土に分布し、春先の草原や林縁でワラビを採っている姿をよく見かける。ただ、食用にするには灰汁(あく)抜きする必要があり、採るのは楽しいがそのままになっているものも多いのではないだろうか。
これだけ採られているにかかわらず、山野でこのシダが減ったという気はせず、その後1mくらいまで葉柄が延び、そこから1m近い枝を広げている光景をよく目にする。
しかし、このシダの胞子嚢群を見るとなると容易ではなく、葉を裏返しても胞子嚢群を見ることはほとんどない。下の胞子嚢群の写真も見つけた時は小躍りして喜んだ。
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