コケハイホラゴケ(苔這い洞苔)

Vandenboschia subclathratum


コケハイホラゴケ

  • 科名・属名 :
     コケシノブ科 ハイホラゴケ属

  • 特徴 :
     長さ3〜15cmの常緑性のシダ。
     根茎は長く這い、径約0.3mm、密に褐色〜暗褐色の毛がある。
     葉は2〜3回羽状複葉で、葉身は三角状卵形〜卵状披針形まで変化は大きく、長さ1〜10cm。葉軸には幅約0.4mmの翼があり、裂片は淡緑色でやや格子状となる。葉柄は長さ0.7〜4cm、上部に狭い翼が両側につく。
     胞子嚢群は裂片に頂生し、包膜はコップ状、狭い翼があり、唇部はやや広くて切形、胞子嚢床は長く伸びる。
     別名 ニセアミホラゴケ

  • 分布・生育地 :
     九州(鹿児島、奄美大島)、沖縄(本島、石垣、西表島)
     密林の川沿いの湿った岩上

  • 撮影月日・場所 :
     2007年11月17日  沖縄県西表島
     下・胞子嚢群    同  上

  • 撮影記 :
     ある渓流性の花を撮影に入った沢、湿度が高いせいか岩は苔むして滑りやすく、一歩も気が抜けない。
     やっと滝にたどり着き、滝横の岩場に生える花を撮影する。大雨の後で水量が多く、傘、カッパで完全防備だ。
     撮影後、滝壺から流れ出る沢沿いをチェックすると、湿った岩陰にこのシダが生えていた。
     よく似た仲間の多い種であるが、根茎の太さ、葉身の長さや色から本種と判断した。

  • その他のシダ
胞子嚢群