ヒメミズニラ(姫水韮)

Isoetes asiatica


ヒメミズニラ1

  • 科名・属名 : ミズニラ科 ミズニラ属

  • 特徴 :
     草丈4〜12cmの夏緑性の水生シダ。
     塊茎は径(0.5-)0.6〜0.8(-0.9)cm。1条の溝があり、底部は浅く2裂する。
     葉は3〜7枚叢生し、線形で長さ(4-)6.2〜8.9(-12)cm、幅(0.6-)0.8〜1.1(-1.4)cm。先は鋭尖頭、基部は広がって卵状三角形となり、縁は全縁。質は厚い草質、黄緑色。
     小舌は三角形〜広心形、胞子嚢を覆う蓋膜があり、蓋膜は楕円形〜半円形で開口する。
     大胞子の表面には細かい針状突起がやや密にある。2倍体。

  • 分布・生育地 :
     北海道〜本州(中部地方以北) (国外:ロシア(極東地域、千島列島))
     高地の湖沼の岸辺

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2016年7月24日  群馬県
     中・全体2 2015年8月24日    同  上
     (上、中は拡大写真あり、写真をクリック)
     下左・塊茎・胞子嚢、右下・大胞子    同  上

  • 撮影記 :
     前年は湖水の水量が多く、このシダのほとんどは水の中、揺れる水面越しに何とか撮影した。
     翌年、別の花を狙って訪れた際、今年はどうかと覗いてみた。
     すると、前年より何十センチも水面が低くて小石の交じる水底が現れ、点々とこのシダが生えていた。
     ミズニラ科はこのシダを含め日本に5種知られるが、いずれも浅い水中に生え、希少なものばかりである。
     他の種との違いは唯一2倍体で、塊茎の底が浅く2裂(他は3裂が多い)し、葉が短いこと、胞子嚢を覆う蓋膜があること、大胞子の表面に針状の突起があることが特徴とされている。

  • 胞子嚢(大胞子)

    その他のシダ
ヒメミズニラ2

塊茎・胞子嚢