ナナバケシダ(七化け羊歯))

Tectaria decurrens


ナナバケシダ

  • 科名・属名
  • : ナナバケシダ科 ナナバケシダ属
  • 特徴

  •  長さ60〜90cmの常緑性シダ。
     根茎は短く、葉を叢生する。
     葉はやや2形で、栄養葉は長楕円形〜卵形で、2〜6対の側羽片があり、長さ40〜50cm、中軸に幅7mmに達する広い翼が基部まである。側羽片は披針形で長さ25cm、幅5cmになり、先は尾状鋭尖頭、浅い鋸歯があるか全縁、基部の1対には下向きの小羽片がある。
     葉柄は長さ20〜50cm、褐色で光沢があり、基部に鱗片がある。
     胞子嚢のつく葉は栄養葉に比べ側羽片の裂片の幅がやや狭く3cm程度。胞子嚢群は主脈近くにつき、主脈間に2列あり、包膜はは楕円形で径約1.2mm。
  • 分布・生育地

  •  沖永良部島以南〜沖縄
     やや乾いた山地林下
  • 撮影月日・場所

  •  上・全体 2007年4月29日  沖縄県西表島
     下・胞子葉 2007年4月28日    同  上
  • 撮影記

  •  南方系のシダは驚かされる形をしたものが多いが、このシダもその一つである。
     名前も変わっているうえ、高さも1m近いものもあり、軸に広い翼が根元までついている形も一度見たら忘れられない。
     和名のナナバケ(七化け)の由来は、葉の形が多数あることからつけられているようだが、個人的にはそれほどでもないような気がする。
     西表島でも山道を歩くと林下で時々目にするが、点々と生え一面群生するということはないようだ。

    その他のシダ
胞子葉