ウスバシダ(薄葉羊歯)

Tectaria devexa


ウスバシダ

  • 科名・属名

  •  ナナバケシダ科 ナナバケシダ属

  • 特徴

  •  長さ30〜50cmの常緑性シダ。
     根茎は短く、斜上して葉を叢生する。
     葉身は三角状卵形で、長さ20〜25cm。最下羽片が最大で、側羽片は2〜3(〜5)対、大きな羽片は2回羽状深裂する。裂片は長楕円形〜三角状卵形で、鈍頭〜円頭。質は薄く、淡黄緑色〜淡緑色で、両面とも有毛、縁には密に微毛がある。葉脈は羽軸と小羽軸に沿って1列に網目を作り、他は遊離する。葉柄はやや細く、長さ8〜18cm、葉身と同長かやや短く、濃褐色で光沢があり、基部に線状披針形で茶褐色の鱗片をつける。
     胞子嚢群は遊離脈に背生し、裂片の辺縁寄りにほぼ1列に並び、径約1mm。包膜は円腎形。

  • 分布・生育地

  •  九州(沖永良部島以南)〜沖縄
     林内の湿った場所や岩上

  • 撮影月日・場所

  •  2013年5月28日 沖縄県石垣島
     下・胞子嚢   同 上

  • 撮影記

  •  図鑑には林内の湿った土の上や岩上に生えるとあるが、沖縄本島や石垣島で見かけたのは、隆起サンゴ礁の隙間で必ずしも湿っているとは言い切れない場所だった。
     ただ、このような場所はハブの絶好の住処で、隙間や周囲をよく確認してから近づく必要がある。
     シダは花もなく何となくとっつきにくさがあるが、葉面のやや淡い緑色や密にはえる毛のせいで柔らか味を感じさせ、親近感を抱かせるシダである。

    その他のシダ
胞子嚢群