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- 科名・属名 : オシダ科 アツイタ属
- 特徴 :
草丈15〜40cmの常緑性シダ。着生。
根茎は短く匍匐し、背側に葉をやや密につけ、卵形の鱗片をやや密につける。
葉は単葉で2形、栄養葉の葉身は披針形(ほぼ上下対称形)、長さ(11-)15〜23(-27)cm、幅(1.4-)2.1〜3.2(-4.1)cm。先は鋭頭で鈍端、基部は狭いくさび形、中軸は向軸側(表側)に盛り上がり、葉縁の膜質はあるが、あまり目立たない。質は革質、緑色でやや光沢があり無毛。
胞子葉は披針形〜狭披針形(ほぼ上下相称形、長さ(5.8-)9.6〜17(-22)cm、幅(1-)1.4〜2(-2.2)cm。先は鋭頭、基部は狭いくさび形。質や色は栄養葉と同じ。
栄養葉の葉柄は、淡緑色で最基部は褐色、長さ(1.2-)3〜6(-9)cm。翼があるが葉身基部が葉柄基部まで流れ、境界は不明瞭。胞子葉の葉柄は栄養葉より長く、長さ(5.2-)8.6〜12(-17)cm。
胞子嚢群は胞子葉の裏面全体につく。
- 分布・生育地 :
本州(伊豆諸島、紀伊半島)、四国(南部)、九州(南部〜徳之島) (国外:中国(南部)、台湾、インドシナ) 山林中のやや陰湿な岩上や樹幹に着生
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2013年2月8日 徳島県海部郡 中・全体2 2008年4月26日 鹿児島県屋久島 (上、中は拡大写真あり、写真をクリック) 左下・葉縁 同 上 右下・葉柄基部鱗片 2016年12月24日 鹿児島県奄美大島
- 撮影記 :
暖地の沢沿いなど湿った林下の岩場や樹幹に着生する比較的少ないシダであるが、四国や九州の何ヶ所かで出会った。
特に徳島県で出会った株は何十年も経過しているのか、葉が20〜30枚ぐらいついている上に、長さも40cm近くあり、素晴らしい株だった。
これなら胞子嚢群がついているだろうと葉裏をチェックしたが、全くその気配はなかったし、つけたような跡もなかった。
胞子葉は熟したら枯れるのかと思い、その後夏〜秋にかけても出会った際は調べたが、残念ながら胞子嚢をつけた株に出会ったことがない。
胞子嚢群は胞子葉の裏面全体につくようであるが、何とか出会いたいものだ。
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