- 科名・属名 ： オシダ科 イノデ属
- 特徴 ：
草丈５０〜９０ｃｍの常緑性シダ。
根茎は短く直立〜斜上し、塊状となる。
葉は２回羽状複生、卵状楕円形〜狭披針形、長さ(36-)４３〜５３(-60)ｃｍ、幅(14-)１６〜２１(-25)ｃｍ。側羽片は長楕円状披針形〜長楕円状狭披針形、長さ(6.5-)７.７〜９．４(-10)ｃｍ、幅(1.7-)２〜２．５(-3.2)ｃｍ。小羽片は三角状長楕円形で基部前側に耳片が発達し、先端は鋭尖頭で芒状になり、後側は浅い鈍鋸歯縁で先端は芒状。
葉質はやや硬い紙質、表面は深緑色で光沢があり、ほとんど無毛、裏面は毛状の長い鱗片がある。
葉柄は淡緑色、長さ(17-)１９〜２５(-28)ｃｍ。葉柄基部につく鱗片は、卵状披針形〜狭披針形、長さ(14-)１８〜２１(-25)ｍｍ、幅(6-)６．５〜７．９(-9)ｍｍ、淡褐色〜赤褐色で基部付近が黒褐色を帯びる場合もあり、辺縁には不規則な突起がある。中軸の鱗片は狭披針形〜線状披針形、淡褐色〜褐色、上部のものは毛状で突起がある。
胞子嚢群は、部分的につく場合は、前側の耳片と先端の中間点付近からつき、裂片の辺縁と中肋の中間、円形で径(0.8-)１．１〜１．３(-1.4)ｍｍ。包膜は円形で盾着、全縁。 - 分布・生育地 ：
本州〜九州(屋久島まで） （国外：朝鮮、中国(東部)）
平地〜低山地の林下、林縁 - 撮影月日・場所 ：
上・全体１ 2014年7月29日 神奈川県横浜市
中・全体２ 2008年5月2日 長崎県長崎市
（上は拡大写真あり、写真をクリック）
左下・胞子嚢群 2014年7月29日 神奈川県横浜市
右下・葉柄基部鱗片 同 上 - 撮影記 ：
北海道を除き、平地や低山地の林下で普通に見られるシダだが、このイノデの仲間は似たものや雑種が多く、いつも同定には苦労する。
また、同所に多くの種が生えるので、分かったつもりでいても色々見ていくうちに訳がわからなくなり、それで嫌になることも多い。 本種の特徴は、右下の写真のように鱗片の辺縁に毛状の突起があることで、ルーペなどを使わなくても見ることができる。
とはいえ、鱗片の幅や色も幅広く、胞子嚢群の位置なども含め判断したが、これらの仲間の同定に１００％の自信はない。
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