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- 科名・属名 : オシダ科 イノデ属
- 特徴 :
草丈50〜80cmの常緑性シダ。
根茎は短く、直立〜斜上し塊状となる。
葉は2回羽状複生、葉身は卵状狭楕円形〜狭披針形、長さ(32-)40〜50(-58)cm、幅(8.5-)13〜17(-20)cm。羽片は長楕円状披針形〜線形、小羽片は三角状長楕円形で基部前側に耳片があり、先は鋭先端で芒状、縁は浅い鋭鋸歯縁。質はやや硬い紙質、淡緑色〜緑色でやや光沢がある。
葉柄は淡緑色、長さ(11-)16〜20(-23)cm。葉柄基部の鱗片は密につき、卵状披針形〜披針形、長さ(11-)12〜13(-14)mm、幅(4.6-)5.7〜6.7(-7.1)mm、淡褐色で辺縁に著しい突起がある。中軸や羽軸の鱗片は狭披針形〜線状披針形、淡褐色で辺縁は著しい突起がある。
時に中軸の下部まで黒褐色の鱗片をつけるものがあり、ネッコイノデ(f. atrosquamatum)という。
胞子嚢群は小羽片の辺縁寄りにつき、葉身の先端側からつくが、部分的につける場合は、耳片基部付近からつきはじめる。胞子嚢は円形、径(0.8-)0.9〜1.2(-1.4)mm、包膜は円形で楯状につき、灰白色で辺縁は不規則な突起縁。
- 分布・生育地 :
本州〜九州 (国外:朝鮮) 山地の林下
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2017年6月5日 東京都高尾山 中上・全体2 2014年4月16日 和歌山県新宮市 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック) 中下・胞子嚢群1 2017年6月5日 東京都高尾山 左下・胞子嚢群(部分的) 2014年4月16日 和歌山県新宮市 右上・葉柄基部鱗片、右下・中軸鱗片 同 上
- 撮影記 :
シダの撮影を始めたての頃、よく似たものの多いグループは違いがよくわからず、全体と胞子嚢群を写せば何とかなるだろうと撮影してた。
今でもさほど状況は変わっていないが、それでも基部や中軸の鱗片、毛などを撮影するようになると、帰って調べると何とか同定できるものが増えてきた。
イノデの仲間はその典型的なもので、かつ雑種も数多くあり、今でもよくわからない仲間であるが、葉柄の鱗片、胞子嚢のつき始めの位置から本種と判断した。
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