イヌタマシダ(犬玉羊歯))

Dryopteris hayatae


イヌタマシダ1


  • 科名・属名 : オソダ科 オシダ属

  • 特徴 :
     草丈30〜60cmの常緑性シダ。
     根茎は塊状で小さく、斜上する。
     葉は2回羽状全裂〜複生、葉身は卵状披針形〜卵状披針形、長さ(12-)16〜24(-51)cm、幅(4.3-)8.5〜12(-13)cm。側羽片は(10-)12〜14(-16)対あり、最下羽片は非相称の三角形、2番目以降は三角状広披針形〜三角状披針形でやや鎌状に曲がり、長さ(3-)5.8〜8.9(-10)、幅(2.2-)3.2〜4.5(5.1)cm、短柄〜柄があり、長さ(0.3-)0.5〜0.8(-1)cm。小羽片は長楕円状披針形、長さ(0.7-)1.2〜1.7(-2.1)cm、幅(0.4-)0.6〜0.7(-0.8)cm、羽軸に流れて着き、円頭〜鋭頭で鋸歯縁。質は紙質で鮮緑色。
     葉柄は淡緑色、長さ(14-)17〜24(-34)cm。鱗片は全体にごく疎らで早落性、披針形で淡褐色〜赤褐色、長さ(6.1-)6.7〜7.9(-8.9)mm。
     胞子嚢群は葉身、羽片の頂点側からつき、中肋寄りで円形、径0.9〜1(-1.1)mm。包膜は円腎形で灰白色、径約1mm、熟すと不規則に縦に2〜3裂する。

  • 分布・生育地 :
     八丈島、四国(高知)、九州、沖縄 (国外:台湾)
     山地の林下や渓流近くの岩上

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2007年12月2日  鹿児島県屋久島
     中上・全体2 2008年4月26日    同  上
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中下・葉(最下表) 2007年12月2日    同  上
     下・胞子嚢群    同  上

  • 撮影記 :
     このシダに初めて出会ったのは、シダの写真を撮り始めたばかりの頃だった。
     屋久島の林道を歩いていると、湿った岩壁に着生していたが、その時は名前がわからなかった。
     ひっくり返してみると円形の胞子嚢がバランスよくつき、何とも言えず美しくすっかり好きになった。
     その後、沖縄の渓流沿いでは何度も出会い、現地では珍しいシダではないようであるが、初めての出会いの感動が忘れられず、今でも好きなシダの一つである。

  • その他のシダ
イヌタマシダ2

葉(表)

胞子嚢群