カタイノデ(硬猪の手)

Polystichum makinoi


カタイノデ1

  • 科名・属名 : オシダ科 イノデ属

  • 特徴 :
     草丈50〜80cmの常緑性シダ。
     根茎は短く、直立〜斜上し、塊状になる。
     葉は2回羽状複生、葉身は狭卵状長楕円形〜長楕円状披針形、長さ(33-)38〜45(-51)cm、幅15〜16(-18)cm。側羽片は長楕円状披針形、長さ(5.6-)6.5〜7.7(-9.1)cm、幅(1.8-)1.9〜2.3(-2.8)cm。質はやや硬い紙質、表面は濃黄緑色でやや光沢がある。小羽片は卵形〜三角状長楕円形、長さ(0.8-)0.9〜1.1(-1.4)cm、幅(0.5-)0.6〜0.7(-0.9)cm。先は鋭尖頭で芒状、縁には先が芒状の浅い鈍鋸歯縁、基部前側に耳片が発達する。
     葉柄は淡緑色、長さ(13-)20〜25(-29)cm。基部の鱗片は密につき、光沢のある赤褐色〜黒褐色で縁は淡褐色、ほぼ全縁〜小突起縁。中軸の鱗片は密につき、狭披針形〜線状披針形で淡褐色、縁には毛状突起がある。
     胞子嚢群は小羽片の中肋と辺縁の中間につき、葉身の先端側からつく。部分的につく場合は小羽片の前側の耳片と先端の中間付近からつく。包膜は円形で楯状につき、ほぼ全縁〜不規則な突起縁、灰白色。

  • 分布・生育地 :
     本州(関東地方以西)〜九州 (国外:中国)
     山地林下

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2013年5月17日  東京都高尾山
     中・全体2、以下全て    同  上
     (上は拡大写真あり、写真をクリック)

  • 撮影記 :
     東京都にある高尾山は、古くから保護された森林があり、植物相が豊富であることで知られている。
     しかも、新宿から電車で1時間もかからないと交通至便の上登山コースも多く、しかも適度な歩行時間で頂上につくなどハイキングに最適で、ミシュランで3ツ星評価を得ている。
     そのため、昔に比べると登山客が激増し、混雑時にはすれ違いも困難で渋滞が発生するほどである。
     しかし、数多くの植物があること、林下にはシダが多く、毎年何度も観察に訪れている。
     このシダは沢沿いの登山道の湿潤な植林下でよく見られ、葉の色や質が硬そうに見えることから和名がつけられている。

  • 葉柄基部鱗片

    その他のシダ
カタイノデ2

胞子嚢群