ナガサキシダ(長崎羊歯)

Dryopteris sieboldii


ナガサキシダ1

  • 科名・属名 : オシダ科 オシダ属

  • 特徴 :
     草丈50〜120cmの常緑性シダ。
     根茎は短く、横走するか斜上し、褐色〜黒褐色で、長さ1〜1.2cmの鱗片をつける。
     葉身は奇数羽状複葉、広卵形〜円状卵形で、長さ30〜70cm、幅25〜35cm。やや2形で、側羽片は2〜6対、線形、鋭尖頭で基部は円形〜切形、長さ15〜30cm。胞子嚢をつけない葉(裸葉)では、側羽片の幅は、2.5〜5cm、胞子嚢をつける葉(実葉)では、幅2〜3cm。
     全縁かやや波状縁または幅が広くて低い鋸歯があり、質はやや厚い革質で、裏面に毛のような細かい鱗片がまばらにある。下部の羽片には柄があるが、上部のものは無柄か中軸に流れて翼となる。頂羽片はは側羽片と、形、大きさともほぼ同じ。
     葉柄はわら色で、長さ20〜70cm。
     胞子嚢群は羽片のほぼ全面に散在し、包膜は円腎形であるが、やや早落性。
     別名 オオミツデ

  • 分布・生育地 :
     本州(千葉県以西の太平洋側、石川県)、四国、九州 (国外:中国)
     山地林下

  • 撮影月日・場所 :
     2013年5月2日  鹿児島県薩摩川内市
     中 2014年5月5日  佐賀県伊万里市
     下・胞子嚢群    同  上

  • 撮影記 :
     和名の由来となっている長崎県でこのシダに初めて出合った。
     図鑑では見知っていたが、厚く、ボテッとした葉が印象的で、夢中になって撮影した。
     ただ、葉が痛んでいて写真としては満足のいくものにはならなかった。
     関東でも、「千葉県植物誌」などに「オオミツデ」という別名で生育していることが記載されているが、自生地は「ヤマビル」の分布域と重なり合い、撮り直しに出かける気にはならなかった。
     その後、九州の何ヶ所かで出合ったが、最初の感動がいつもよみがえってきて、忘れられないシダの一つである。

  • その他のシダ
ナガサキシダ2

胞子嚢群