ナンタイシダ(男体羊歯)

Dryopteris maximowiczii


ナンタイシダ

  • 科名・属名 : オシダ科 オシダ属

  • 特徴 :
     草丈40〜55cmの夏緑性シダ。
     根茎は短く横走し、葉を相接して出す。
     葉は3回羽状深裂〜4回羽状中裂、葉身は五角状広三角形〜五角状卵形、先は鋭尖頭で最下羽片が最大、長さ(20-)22〜26(-30)cm、幅(22-)24〜26(-28)cm。側羽片は最下羽片が非相称の三角形で内先分岐、2番目以上は三角状卵形、上に向かって次第に小さくなり、長さ(12-)13〜15(-17)cm、幅(7.9-)10〜12(-13)cm。小羽片は三角状披針形、鋭頭ではっきりした柄があり、長さ(2.1-)2.4〜3(-3.8)cm、幅(1.3-)1.4〜1.7(-2)cm。2次小羽片は鈍頭〜鋭尖頭、最終裂片の縁は歯牙となる。質は草質で緑色、ほぼ無毛。
     葉柄は淡緑色で基部は褐色、長さ(16-)19〜23(-28)cm。鱗片は全体で疎らにつき、卵形で黄褐色、長さ(5.8-)6.6〜8.2(-9.3)mm。
     胞子嚢群は辺縁寄りにつき、円形で径(0.8-)0.9〜1mm。包膜は円腎形、灰白色、ほぼ全縁だが熟すと不規則に裂ける。

  • 分布・生育地 :
     本州(宮城〜奈良県) (国外:朝鮮)
     温帯林の林下

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体 2017年7月28日  東京都奥多摩
     (上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中・下部羽片、下・胞子嚢群    同  上

  • 撮影記 :
     栃木県の日光男体山で見つかったことから和名がつけられている。
     本州の温帯域〜暖帯域にあたる宮城〜奈良県に分布が限られ、北にも南にも広がらない面白い分布をしている。
     奥多摩の沢沿い、急斜面につけられた登山道を歩き始めたとき、道端の斜面に生えていた。
     五角状の形が珍しく、直ぐに調べることができた。

  • その他のシダ
下部羽片

胞子嚢群