ナチクジャク(那智孔雀)

Dryopteris decipiens


ナチクジャク1


  • 科名・属名 : オシダ科 オシダ属

  • 特徴 :
     草丈30〜80cmの常緑性シダ。
     根茎は斜上し、小さい塊状で、葉を叢生する。
     葉は1回羽状複生〜2回羽状浅裂、葉身は三角状披針形〜長楕円状披針形で鋭尖頭、長さ(11-)25〜39(-46)cm、幅(12-)13〜18(-26)cm。側羽片は狭披針形〜披針形で基部が袋状のものが多く、(17-)19〜22(-24)対あり、長さ(5.4-)5.9〜7.5(-9.5)cm、幅(1.2-)1.4〜1.6(-1.8)cm、基部は心形で長さ0.3〜0.4(-0.5)cmの短柄があり、縁は波状縁〜円鋸歯縁。質は硬い紙質、黄緑色で新葉の展開時には紅色を帯びる。
     葉柄は淡緑色でほぼ無毛、長さ(18-)22〜31(-40)cm。鱗片は基部ではやや密、それより上では疎ら、狭披針形、褐色〜黒褐色で光沢があり、長さ(8.7-)9.8〜13(-16)mm、全縁。葉軸や中肋の背軸側では鱗片はやや密〜疎ら。
     胞子嚢群は葉身の先端側、羽片の基部側からつき、中肋寄りの両側に1列、切れ込みの大きい羽片では2〜3列に並ぶ。胞子嚢は円形、径(0.9-)1.1〜1.5(-1.9)mm、包膜は円腎形、灰白色でほぼ全縁。

  • 分布・生育地 :
     本州(千葉県以西)〜九州(屋久島まで) (国外:朝鮮、中国、台湾)
     低山地の林下、林縁

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2022年6月8日  静岡県浜松市
     中上・全体2、以下全て    同  上
    (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)

  • 撮影記 :
     シダの図鑑で格好いい姿を見て、是非見たいと思って何度か探したが出合うこと花なかった。
     新型コロナの感染者もやや収まり気味の6月、小〜大学の先輩の案内で静岡県の西部に久し振りの植物観察に出かけた。
     いくつかの新しい花との出会いの後、川沿いの林道の林縁でこのシダを見つけ大喜びした。
     針葉は赤味を帯びると図鑑の記述にあったが、上から2枚目の新葉にややその名残があった。

  • 葉柄基部鱗片

    その他のシダ
ナチクジャク2

葉表

胞子嚢群