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- 科名・属名 : オシダ科 イノデ属
- 特徴 :
草丈(59-)65〜75(-90)cmの常緑性シダ。
根茎は短く、直立から斜上し、塊状になって鱗片をつける。
葉身は三角状長楕円形〜広披針形、2回羽状複生で長さ(35-)38〜43(-45)cm、幅(13-)17〜22(-26)cm。側羽片は長楕円状披針形で上向き第1羽片は目だって大きく、長さ(7.9-)9.3〜12(-13)cm、幅(2.0-)2.5〜3.3(-4.1)cm。卵形〜卵状長楕円形で全部前側に耳片が発達し、長さ(1.2-)1.4〜1.6(-1.8)cm、多くは基部で沿着し無柄、縁は浅い鋭鋸歯縁で先は硬い刺になる。質は硬い紙質〜革質、緑色で光沢がある。
葉柄は淡緑色、長さ(24-)26〜32(-41)cm、基部には卵状披針形〜披針形、長さ(11-)12〜14(-15)mm、幅(2.4-)3.6〜5.1(6.5)mm、の鱗片が密にある。鱗片は淡褐色で光沢があり、辺縁には不斉な突起がある。中軸の鱗片は淡褐色〜黒褐色、光沢がある。
胞子嚢群は葉身の先端側から、羽片では先端または基部側からつき、小羽片のやや中肋よりにつき、円形で表面に凸出し、径1.2〜1.4mm。包膜は円形で盾状につき、灰白色で全縁〜波状縁。
- 分布・生育地 :
本州(関東地方以西)、四国(高知県) (国外:中国) 山地のそれほど陰湿でない林下
- 撮影月日・場所 :
上・全体 2016年7月30日 広島県庄原市 (上は拡大写真あり、写真をクリック) 中上・葉表 2015年7月4日 同 上 中下・胞子嚢群1 2016年7月30日 広島県庄原市 下左・胞子嚢群2、下右・基部鱗片 同 上
- 撮影記 :
やや細めのすっきりしたフォルム、硬く革質で光沢のある葉、凛とした佇まいはシダ好きでなくとも虜にさせられる。
残念ながらどこでも見られるというシダではなく、やや稀な種類であるのが惜しまれる。
このシダに出会った広島県北部の谷沿いの斜面、天気のいい日でもやや薄暗い場所なのに、出会ったのはいずれも雨の日ばかり。暗くて撮影には苦労した。
それにカメラを落として故障させるなど、こちらの好意がどうも通じていないようだ。
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